知られざる物語 京都1200年の旅
放送内容
2014年9月9日放送
市川猿之助が歩く 京都国立博物館
※2時間スペシャルを再編集して放送いたします。
明治30年に開館し、これまで一世紀以上にわたり、数多くの文化財を守り続けてきた「京都国立博物館」。2014年9月13日、新しい建物「平成知新館(へいせいちしんかん)」が加わり、リニューアルオープンします。今回は、市川猿之助が、実際に博物館を訪れ、一足早く、準備が進む館内や、普段公開されていない場所などを特別に見せて頂きます。常設館として、これから多くの人を迎えるのが平成知新館。ここは貴重な作品を保存するために温度管理が徹底され、湿気を避けるため、完成してから1年間、内部を乾燥させていました。そんな建物の一階に展示されるのは、平安時代に作られたと伝わる「宝誌和尚(ほうしおしょう)立像」。その仏の姿は、ある中国の和尚が指で自分の顔の皮を裂くと、そこから十一面観音が顔を現わしたという、不思議な伝説がもとになっているとされています。さらに絵画を年代・分野別に展示する2階では、近世の名高い作品に出会います。その一つが、「狩野永徳(かのうえいとく)」の「洛外名所遊楽図屏風(らくがいめいしょゆうらくずびょうぶ)」です。京都の四季の景観に、宴や農作業、鷹狩りなど、人々の生活が描写されています。 さらに、地下には、最新の4K映像のシアターがあり、肉眼では捉えることができない、作品の細部まで知ることができます。そして、明治時代の開館から変わらぬ姿を残しているのは、京都国立博物館のシンボルとも言える「明治古都館(めいじことかん)」。同じ年に作られた正門と共に、重要文化財に指定される貴重な建物です。さらに、数々の作品を収める博物館が建つ土地にも、長い歴史がありました。
実はかつて、安土桃山時代に豊臣秀吉(とよとみひでよし)が築いたとされる「方広寺大仏殿(ほうこうじだいぶつでん)」の一部で、庭には様々な名残を見ることができます。さらにさかのぼれば、平安時代の終わりに活躍した後白河法皇とも深いつながりを持つといいます。歴史を物語る宝物…。それを収める博物館にもまた、長い時が積み重なっていたのです。