知られざる物語 京都1200年の旅
放送内容
2014年6月17日放送
いにしえの風情 京の坂道
なだらかな山々に囲まれた盆地に広がる京の街。
この地には多くの坂道があり、それぞれにいにしえの趣を漂わせます。そんな道沿いには、寺社が建ち、店が営まれ、今に伝わる様々な文化が生まれていきました。
清水寺のほど近くにある「産寧坂(さんねいざか)」。清水寺の門前にあった、安産にご利益のある寺院が、その名前の由来だとも伝わり、いにしえより多くの人々が祈願に訪れていたといいます。
そんな産寧坂と交わるのが「二寧坂(にねいざか)」。
坂道沿いには、大正時代に活躍した画家、竹久夢二の住まいの跡地を示す碑が建っており、すぐ隣にある甘味処では夢二が愛したという「おしるこ」を味わえるのです。
自然豊かな嵯峨鳥居本(さがとりいもと)にある坂道は、いにしえより信仰されてきた愛宕山(あたごやま)の参道であり、江戸時代には門前町としてにぎわった場所。
京の街の北、鷹峯(たかがみね)にも、人々に親しまれてきた坂道があります。
坂道沿いにあるのが、江戸時代に創業した「松野醤油(まつのしょうゆ)」。
現在も、昔ながらの製法が受け継がれているのだとか。
都を抜け、比叡山へと続く道が「雲母坂(きららざか)」。古くから、親鸞聖人をはじめ、多くの修行僧たちが歩いていたといいます。そこに伝わるのは、坂の名にちなんだ、名物の「雲母漬(きららづけ)」。
時代をこえて、多くの人々が歩いた「京の坂道」。それぞれの坂で生まれ、受け継がれる伝統をひもといていきます。