知られざる物語 京都1200年の旅
放送内容
2013年11月12日・2014年9月16日放送
「市川猿之助が歩く 京の秋 趣深まる寺」
木々が色付き、穏やかな空気の流れる「秋」は、古都をより一層、魅力的にする季節。
そんなこの時期にこそ訪れたい、歴史ある寺院を、市川猿之助が訪れます。
比叡山(ひえいざん)のふもとに門を構える「曼殊院(まんしゅいん)」は、紅葉の名所として知られます。
この寺の書院の床の間には「立花図」を元にしたという、美しい秋の花が生けられていました。室町時代に始まるという「立花図」の歴史とは?
そして、この寺は、明治から昭和にかけて活躍した文豪、谷崎潤一郎が愛した寺としても知られます。
その随筆「陰翳禮讃(いんえいらいさん)」の中で、谷崎は光と影の織り成す美しさについて記していますが、そんな日本ならではの美を体感出来るのが、曼殊院の茶室「八窓軒(はっそうけん)」。
いにしえから伝わる光と影の織り成す仕掛けを楽しみます。
門前に美しいすすきがなびく「源光庵(げんこうあん)」もまた、光と影を楽しめる場所。特徴的な形をした、「悟りの窓」と「迷いの窓」に込められていたのは、仏の大切な教え。
また、「雲龍院(うんりゅういん)」には、秋ならではの風情ある庭園を、また一味違った楽しみ方がの出来る工夫がありました。
そして、山奥深くに分け入った「狸谷山不動院(たぬきだにさんふどういん)」は猿之助さんが足しげく通うというお気に入りの場所。
「清水の舞台」で知られる清水寺の本堂と同じ造りだという本殿の中にまつられているのは、「咜怒鬼(たぬき)不動明王」。一見、かわいらしい響きのあるその名前とは違った、不動明王の姿とは?
さらに、猿之助さんがプライベートで仏像を作ってもらったという「松久宗琳佛所(まつひさそうりんぶっしょ)」。ここでは美しい仏像たちと、そこに込められた思いに触れます。
また、豊臣秀吉とその妻、ねねゆかりの寺「高台寺(こうだいじ)」で、毎年行われるのは、秋の夜長に美しいライトアップ。光に照らされた幻想的な寺院と庭園の美しさに酔いしれます。
趣が深まる秋の寺を中心に、この季節ならではの風情あふれる場所へ…市川猿之助が案内する「秋の特別編」。