知られざる物語 京都1200年の旅
放送内容
2013年10月8日・10月15日放送
「平安神宮と今に息づく平安京」
今をさかのぼること1200年。新しい都となる「平安京」が造られた時から京都の歴史は始まりました。それから幾世紀もの時が流れましたが、今でも平安京の名残が息づく場所があるのです。
都を造るにあたり、碁盤の目のように整備された京の街。様々な通りが、縦横に交わっています。その中の一つ「千本通」。ここには、かつて平安京の正門である「羅城門(らじょうもん)」と「朱雀門(すざくもん)」を結ぶ、「朱雀大路(すざくおおじ)」が通っていたといいます。朱雀門の先には、天皇の住まいや国の機関が置かれた大内裏(だいだいり)があり、その中の一つに国の政治や大切な儀式が行われた「朝堂院(ちょうどういん)」という場所があったのだとか。
今は碑のみが残る朝堂院ですが、その面影を「平安神宮」でしのぶことができます。ここは、明治時代に平安遷都1100年を記念して造られた社(やしろ)で、実は朝堂院を八分の五の規模で復元したもの。正門の「應天門(おうてんもん)」、中心となる建物「大極殿(だいごくでん)」などから、かつての様子をうかがい知ることができます。また、境内に広がる四つの趣ある庭を歩き、それぞれが持つ魅力に触れていきます。
そもそも平安京は、風水をもとに理想の地に選ばれ、時の「桓武(かんむ)天皇」によって築かれたと伝わります。また、天皇は都を守るため、京の四方に方位の吉凶を司る神「大将軍」をまつる神社を建てたとか。西にある「大将軍八神社」には、そんな大将軍の姿を表した80体もの像があり、その信仰の深さを物語っています。
また、「京の台所」として有名な「錦市場(にしきいちば)」で賑わう「錦小路通(にしきこうじどおり)」も平安時代から続くものだといいます。そして、平安京にも、かつて「東市」と「西市」という、官営の市場が広がっていました。その場所を守るために建てられたというのが「市比賣(いちひめ)神社」。今も市場の守護神として、親しまれ続けています。
平安京の名残を現在に伝える、数少ない場所である「神泉苑(しんせんえん)」。境内には豊かな水をたたえた美しい庭が広がり、平安の頃には貴族たちが魚釣りや鷹(たか)狩りを楽しんだといいます。
京の街に残る様々な平安の面影。それらをたどりながら、知られざる「平安京の姿」を見つめていきます。