知られざる物語 京都1200年の旅
放送内容
2013年8月6日・8月13日放送
「金閣・銀閣・龍安寺 禅寺に隠された謎」
悠久の歴史漂う京の街にあって、ひときわ強いきらめきを放つ寺、「金閣寺」。 金箔(きんぱく)に包まれ、黄金色に輝くその建物は、室町幕府の栄華を今に伝えます。 そんな金閣寺と双璧をなすのが、「銀閣寺」。 きらびやかな金閣寺とは反対に、日本ならではの美を追求した、落ち着いたたたずまいに心洗われます。 そして、この二つの寺に勝るとも劣らない人気を誇るのが「龍安寺」。 静寂漂う美しい枯山水(かれさんすい)の庭。そこに配された十五の不可思議な石。 その凛(りん)とした美しさと、石に秘められた謎に誰もが心ひかれます。
金閣、銀閣、龍安寺…。 どの寺も、京都を訪ねたら、誰もが一度は足を運ぶ場所。 そんなこの三つの寺にはある共通点があるのです。 それは「禅寺」。 禅寺とは、鎌倉時代に中国より伝えられ、室町時代に発展した禅宗のお寺のこと。
710年あまりの歴史を誇る「南禅寺」は、京都を代表する禅寺の一つ。 歌舞伎の演目にも登場する「三門」や美しい襖絵に彩られた「方丈(ほうじょう)」など、その境内には、禅寺ならではの歴史と美しさ漂う建物が立ち並びます。 そんな大きな禅寺の中にある小さな寺院は、塔頭(たっちゅう)と呼ばれます。 南禅寺の塔頭、「天授庵(てんじゅあん)」は、この寺を開いた高僧が祀(まつ)られていました。 そして同じく塔頭の「金地院(こんちいん)」は、江戸時代、南禅寺を復興させた人物の、かつての権力を感じられる場所。
室町幕府三代将軍、足利義満が建てた相国寺(しょうこくじ)もまた禅寺。 鳴き龍が守る法堂(はっとう)があることでも知られるこの寺には、その塔頭に、あの金閣寺、銀閣寺があるのです。 さらに、龍安寺の本山が「妙心寺」。 禅寺に見られる特徴的な建物の並びを、今に残す妙心寺の境内…。 そこに込められた意味とは?
京の町にたたずむ禅寺から感じられる、長い歴史の重みと美しい風情、そして禅の心。 そんな、京の禅寺を巡り、そこに秘められた謎をひもときます。