知られざる物語 京都1200年の旅
放送内容
2013年3月5日・3月12日・10月1日放送
「二条城と京の城」
江戸幕府を開いた徳川家康が築き、最後の将軍・徳川慶喜(よしのぶ)が大政奉還を行った場所「二条城(にじょうじょう)」。いわば、江戸時代の始まりと終わりの舞台となったその姿から、この城が歩んだ歴史の物語が浮かび上がってきます。
城内で唯一、江戸時代から残る建物「二の丸御殿(にのまるごてん)」。広い敷地には、33もの部屋があり、その内部は、当時の一流絵師によって描かれたきらびやかな襖絵(ふすまえ)で飾られています。ところが、城が建てられた当時はこれほど豪華絢爛ではなかったといいます。城の姿が大きく変わるきっかけとなったのが、三代将軍・徳川家光の時代に行われた「後水尾天皇(ごみずのおてんのう)の行幸(ぎょうこう)」。天皇を城にお迎えするために、建物を新たにつくり、部屋を襖絵で美しく飾り、庭を広げるなど、徳川家による一大事業が行われたのです。二の丸御殿の前に広がる「二の丸庭園」も行幸に備えて広げられたもの。この庭には、見る場所によって庭の見え方が変わるという工夫もあります。そんな、城内に残る様々な名残りが、行幸の歴史を伝えます。
行幸の名残は、二条城近くの料亭「萬亀楼(まんかめろう)」にも。ここにあるのは、当時の献立が描かれた絵図。天皇もお召し上がりになったという料理を、今回特別に再現して頂きました。
今、京都に残っている城はほとんどありませんが、昔は数多くの城があり、その城跡が当時を伝えます。なかでも有名なのが、豊臣秀吉(とよとみひでよし)が築いたとされる「伏見城(ふしみじょう)」。復元された天守閣からさらに、かつての本丸跡「明治天皇陵(めいじてんのうりょう)」に足を運ぶと「なぜここに城を建てたのか」秀吉の気持ちがうかがえる気がします。 その他、創建時の石垣が残る「福知山城(ふくちやまじょう)」、細川ガラシャゆかりの場所である「勝竜寺城(しょうりゅうじじょう)」、関ヶ原の戦いの前哨戦の地となったという「田辺城(たなべじょう)」と、歴史に名を残す「京の城」を訪ね、それぞれに秘められた物語をひもといていきます。