知られざる物語 京都1200年の旅
放送内容
2013年2月5日・2月12日・2014年1月28日放送
「いにしえの隠れ里 冬の大原」
京都市の北東、比叡山のふもとに位置する「大原」。 ここは古くから風光明媚な地として愛され、今なお多くの人々が訪れる里山。 東西を山に挟まれた豊かな自然、寺の参道沿いに軒を連ねる茶屋の風景は、 訪れる人に心の安らぎを感じさせてくれます
大原は古くから比叡山延暦寺の影響を強く受けてきた土地柄。 そんなこの地を代表する寺院が「三千院(さんぜんいん)」。 延暦寺の高僧、最澄ゆかりの寺として長い歴史を誇るこの寺は、 苔むした美しい庭園があることで知られます。 冬の三千院を訪ね、この季節ならではの美しい風情を感じます。
「寂光院(じゃっこういん)」は、平安時代末期に隆盛を誇った平清盛の娘、 「建礼門院(けんれいもんいん)」が隠れ住んだという寺。 平家滅亡後、一族の菩提を弔いながらひっそりと暮らしたといいます。 そんな建礼門院を、大原の人々が気遣い、生まれたと言われるのが今や全国的に愛される「しば漬け」。 「土井志ば漬本舗」は大原産のしそを使ったしば漬けの老舗。 しそをはじめ、大原の豊かな自然は、美味しい野菜を育んできた土地柄なのです。
「浄蓮華院(じょうれんげいん)」では、そんな大原の食材を使った精進料理(しょうじんりょうり)を味わいます。またこの寺で知られるのは宿坊(しゅくぼう)。一般の方でも寝泊りできる宿坊とはどんなものなのか、 旅人の尾上松也が体験。
そして大原は、日本古来の美しい「音」に満ちた場所。 「来迎院(らいごういん)」では、「日本の音楽の原点」とも言われる「声明(しょうみょう)」に出会います。 またその近くにある「音無(おとなし)の滝」には声明にまつわる不思議な伝説が残っていました。 さらに「宝泉院(ほうせんいん)」へ、古くから伝わる美しい音と、この寺ならではの「額縁庭園」を訪ねます。
美しい自然と音、そして深い歴史に満ちた里山…大原。 今も昔も変わりなく、多くの人々を惹きつけ続けるその魅力をひもときます。