知られざる物語 京都1200年の旅
放送内容
2013年1月22日・1月29日・5月21日放送
「人々を見守る京のお地蔵さん」
京都の街中や路地を歩けば目にする地蔵。古くから人々に愛され続けている「お地蔵さん」が京都には多く残っている。京都の花街・宮川町の近くにたたずむ「寿延寺(じゅえんじ)」に祭られているのは「洗い地蔵」。江戸時代にはご利益を求めて、長い行列ができたと伝わる。祇園にある「仲源寺(ちゅうげんじ)」の本尊は、目の病にご利益があるという「めやみ地蔵」。実はかつて都の人を悩ませたという、ある出来事にもご利益があるという。
他にも、歯痛にご利益があるという「ぬりこべ地蔵」や、全ての苦悩を解消するといわれる「石像寺(しゃくぞうじ)」の「くぎ抜き地蔵」などさまざまな御利益をもつ地蔵たち。
さらに、京都に残る珍しく貴重な地蔵を紹介。西陣の「報恩寺」に伝わる「厨子入千躰地蔵菩薩(ずしいりせんたいじぞうぼさつ)像」。厨子の中に納められた、極小の地蔵菩薩の群像は圧巻。普段は公開されることのない、貴重な地蔵を拝見する。
平安時代に起源を持つという「壬生(みぶ)寺」は、別名「地蔵院」としても知られる場所。ここでは数々の地蔵に出会うことができる。この壬生寺の本尊は「延命地蔵菩薩」。地蔵とは、実は菩薩の一つ。時の権力者・白河天皇から厚く信仰されたと伝えられている。 そんな地蔵菩薩が次第に人々へと広まる起源になったのが、「六地蔵」の名でも知られる「大善寺」。かつては6体あったという寺の地蔵菩薩は、平安時代に疫病を封じるため、6カ所の街道に置かれることになったと伝えられている。この6カ所の地蔵を順に参ることが室町時代に流行し、今も続く京都の風習「六地蔵めぐり」へと発展した。そして、庶民に広まった地蔵は、路地裏や通り沿いなど、身近な場所に祭られるように。京の町の様々なところで、今も人々に愛され続けている。 京都で親しまれるようになったお地蔵さん、その知られざる物語をひもといていきます。