知られざる物語 京都1200年の旅
放送内容
2012年12月18日・12月25日・2013年2月26日放送
「冬のぬくもり 京の食」
特に寒さが厳しいと言われる冬の京都。木枯らし吹くこの季節、寒くなってくると誰もが恋しくなるのは、温かな味。ここ京都にも、古くから人々の心と体を温めてきた歴史ある「冬の味」があります。
京都の冬の名物といえば、やはり「湯豆腐」。まず訪ねるのは今に残る最も古い湯豆腐の名店「総本家ゆどうふ奥丹清水(おくたんきよみず)」。敷地内にある専用の工房で、昔ながらの作り方にこだわった湯豆腐を味わいます。京都五山の中でも最も高い格式を誇るという南禅寺は、湯豆腐の始まりと深い関わりが?お寺と深い関わりがあったという豆腐。世界遺産、天龍寺の塔頭、妙智院にある「西山艸堂(せいざんそうどう)」では、なめらかな絹ごし豆腐の起源とも言われる「嵯峨豆腐(さがどうふ)」を堪能。さらに、豆腐の起源についてさかのぼります。祇園、八坂神社の近くに店を構える「二軒茶屋 中村楼」。ここに古くから伝わる豆腐料理はその名も「祇園豆腐」。この豆腐料理が紹介されているという江戸時代の文献「豆腐百珍(とうふひゃくちん)」とは。
冬の京都を温めるのは、豆腐料理ばかりではありません。同じく八坂神社の近くにある「いもぼう平野家本店」では、京都の人々にとってお正月のおせちの一つともいわれる「いもぼう」という料理を頂きます。桂川のほとりにある「中村軒」は和菓子の名店。ここでいただく冬ならではの食は「お雑煮」。地方によって様々な作り方があるお雑煮ですが、京都ならではのお雑煮とは?さらに京名物といえば西京味噌(さいきょうみそ)。歴史ある味噌蔵「本田味噌本店」を訪ね、味噌と京都の深いつながりを紐解きます。また、鳴滝にある了徳寺(りょうとくじ)では毎年、食にまつわる冬の風物詩が催されることでも知られます。鎌倉時代の高僧、親鸞聖人(しんらんしょうにん)と深く関わる、その催しの始まりの物語とは。
温かなぬくもりをもった冬ならではの京都の食。各地の名店で味わいながら、それぞれの料理にまつわる物語をひもときます。