知られざる物語 京都1200年の旅
放送内容
2012年11月13日・11月27日放送
2013年10月29日放送
「市川猿之助が歩く 京の秋スペシャル 後編
風神雷神図に秘められた真実」
京都の景色が最も美しい季節、秋。 この時期、京都で出会えるのは「自然の美」、そして「芸術の美」。 今回は、「市川猿之助が歩く 京の秋スペシャル」と題し、2回にわたり 秋に様々な魅力を見せるを京都を、ナビゲーター市川猿之助自ら巡り、そこに残される、知られざる物語をひもときます。 2回目のテーマは「風神雷神図屏風(ふうじんらいじんずびょうぶ)」。 実はこの、「風神雷神図屏風」と呼ばれる作品は、江戸時代に3人の異なる絵師達により 3つの作品が残されているのです。
旅の始まりは京都で最も歴史ある禅寺、建仁寺(けんにんじ)。 ここでは、江戸時代初期の天才絵師、俵屋宗達(たわらやそうたつ)の「風神雷神図屏風」を間近に見ながら、作品の生まれた背景や、宗達の絵の特徴、さまざまな絵画の技法などをうかがいます。
俵屋宗達について、さらに深く知ることができるのが、養源院(ようげんいん)。 ここでは大胆な構図の「白象図」、「唐獅子図」、さらに迫力の襖絵(ふすまえ)を見ることができます。
そんな宗達亡き後、その半世紀後に現れたのが尾形光琳(おがたこうりん)。 彼は宗達に憧れ、風神雷神図屏風を模写したと言われます。 彼もまた天才的な才能を持ち、その後、「琳派(りんぱ)」と呼ばれる大きな流れのいしづえを築きます。 光琳晩年の傑作と言われるのが「紅白梅図屏風」。 その作品を描いたとされる場所が通称「下鴨神社」と呼ばれる「加茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)」。
そして光琳を陰で支えたのが弟であり、才能溢れる陶芸家、尾形乾山。 光琳、乾山兄弟の貴重な作品を見ることができる、北山美術館を訪れ、その作風や二人の生い立ちを伺います。
そして、乾山の器に心惹かれるという、市川猿之助、いきつけの骨董品店を自ら紹介。 さらにこちらも猿之助おすすめの「天ぷら 松」は、乾山の器で京料理をいただくことができる名店。 猿之助が店を訪れ、乾山について熱く語ります。
光琳からおよそ100年の後、風神雷神図屏風を描いた3人目の画家が、酒井抱一。 琳派の中でも最も華やかと言われる、「江戸琳派」と呼ばれる時代を築いた彼の作品を多くコレクションする のが「細見美術館」。そこで美しい抱一の作品に触れます。
天才達が憧れ、そして今なお私達を惹き付けてやまない風神雷神図屏風。 1年で最も美しい秋の京都を巡りながら、ナビゲーター、市川猿之助がこの作品の風神雷神図屏風の魅力をひもとく芸術の秋ならではのスペシャルプログラム。