知られざる物語 京都1200年の旅
放送内容
2012年8月7日・21日放送
「神秘の山 鞍馬・貴船 聖地をつなぐ火と水の伝説」
古都・京都に残る「神秘的な自然」。その中で「鞍馬」と「貴船」の山は、「聖地」として昔から厚い信仰を集めていました。
古の木々に抱かれた「鞍馬」。山の斜面に建つのが「鞍馬寺」。寺の本尊は、月の精霊「千手観世音菩薩」、太陽の精霊「毘沙門天」、大地の霊王「護法魔王尊」。この三身が一体となり「尊天」と称されています。尊天とは、この世に存在する全てのものを生みだしている「宇宙生命」であり「宇宙エネルギー」。そんな神秘の力で守られている鞍馬には、不思議なパワーが降り注ぐという「金剛床」や、はるか昔「護法魔王尊」が降臨したという「奥之院魔王殿」など、様々な聖なる場所が残されています。また、鞍馬と言えば、源義経が幼少期を過ごしたことでも有名。山中には、義経が実在したことを感じさせる、数多くのゆかりの場所が。これらの地を求めて、尾上松也が険しい山道を歩きます。
鞍馬の山道を抜けると、そこは清流・貴船川に育まれた「貴船」の美しい風景。その川沿いには、「貴船神社」が社を構えます。この神社が祀るのは、生命の根源である「水」を司る神。その力を示すかのように、境内には今まで一度も枯れたことが無いといわれる「御神水」や絵馬が生まれるきっかけとなった雨乞いの逸話が伝わります。そして、少し離れた場所にある「奥宮」は、神社の創設を伝える重大な場所。ここでは、不思議な力が噴き出すといわれる「龍穴」の伝説が語られます。また、貴船の夏の風物詩といえば「川床」。川の涼みを肌で感じながら、旅の疲れを癒します。
それぞれ独自の歴史を重ねてきた鞍馬と貴船。祭事も「鞍馬の火祭」「貴船の水まつり」のように、「火」と「水」相反するものが催されています。共に災いから都を守る「聖地」とされていました。他にも、2つの聖地に隠された、知られざる「神秘のつながり」に迫っていきます。