知られざる物語 京都1200年の旅
放送内容
2012年2月7日・14日放送
「平等院鳳凰堂・藤原道長の見果てぬ夢」
宇治市にある平等院鳳凰堂(ほうおうどう)。
10円玉の図柄として、私たち日本人に昔から親しまれてきたこの建物は、世界遺産としても有名で、年間150万人もの観光客が訪れます。
正式には阿弥陀堂といい、鳳凰が両翼を広げたかのような美しい姿から、鳳凰堂と呼ばれるようになりました。
平安時代の貴族、藤原頼通により建てられた平等院鳳凰堂。
そこには、頼通の父、道長の夢と知られざる物語がありました。
貴族の頂点に上り詰め、有名な和歌「この世をば わが世とぞ思ふ望月の 欠けたることのなしと思へば」と詠むほどの栄華を極めた藤原道長。
彼の思い描いた夢とは何だったのか、それを探って京都各地を巡ります。
京都御所にある土御門(つちみかど)殿跡は、藤原道長の邸宅のあった場所。
道長の生きたその地を肌で感じます。
東福寺塔頭、同聚院には、藤原道長が作らせ現代に残る唯一の像、不動明王像が
。
近衛家の私設文庫、陽明文庫では道長直筆の日記、国宝の「御堂関白記」を読み、道長の日常、そしてその思いに触れます。
鴨川のほとり、壇王法林寺(だんのうほうりんじ)には、道長の思想に大きな影響を与えたという、ある書物がありました。
その書物は、道長のみならず、平安時代の人々にも多大なる影響を与えていたのです。
また、道長はかの源氏物語の主人公、光源氏のモデルとの説も。
宇治市の源氏物語ミュージアムを訪ね、平安時代の貴族のきらびやかな生活を垣間見ます。
そして、言うまでもなく平等院鳳凰堂も。
阿字池と呼ばれる池の中島に建つこの阿弥陀堂は、その美しい姿を水面に映し、それはあたかも極楽の宝池に浮かぶ宮殿のよう。
中には、日本彫刻史上に名を残す仏師、定朝の手による国宝、阿弥陀如来坐像。その表情は無限の優しさに満ちています。また周囲の壁や扉に描かれた壁扉画(へきひが)も必見です。
今回は、この世の栄華を極めながら、更なる夢を宇治の地に託した藤原道長、頼通父子の物語。彼らがなぜ平等院鳳凰堂のに夢を託したのか。
その知られざる物語に迫ります。