にほん風景物語
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漂泊の詩人 石川啄木 ~かなしきぞ美しき街 小樽~
貧困と孤独にあえぎながら、重くのしかかる現実を三行書きの短歌でうたい、歌壇に新風を吹き込んだ石川啄木(1886-1912)の歌は、永遠の青春の賛歌です。
「かなしきは小樽の町よ 歌ふことなき人人の声のあらさよ」
札幌の隣、石狩湾に面した港町・小樽で残した歌漂泊の天才詩人は大火に襲われ職を失った函館から札幌を経由して小樽へやってきます。風に任せるような人生・・・。115日間という短い小樽での暮らしの中で啄木は何を想い、何を感じていたのか?
雪化粧を施された美しい運河、かつて北のウォール街とも呼ばれ賑わいを見せた小樽を、啄木にも精通している作家・高橋源一郎さんが、その足跡を訪ねながら、真冬の2大都市の魅力を紹介します。