にほん風景物語
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愛の名作「挽歌」が描いた釧路 ~原田康子の愛した美しき自然~
昭和31年、原田康子が書いた小説「挽歌」。 戦後の新しい女性像である主人公「兵藤怜子」が妻子持ちの男性に惹かれ、奔放に振いながらも葛藤する愛の物語です。「挽歌」は爆発的な売れ行きを示し、70万部を越すベストセラー作品となり、ドラマ化や映画化もされ、「怜子」のファッションが流行するなど、全国に『挽歌』ブームを巻き起こしました。
物語の舞台は、著者の故郷でもある北海道東部、太平洋に面した釧路市。 明治初期、石炭や硫黄などの積出港として一大物流拠点を形成し発展した、日本有数の港町です。
また、市の北東部にある釧路湿原国立公園は、日本最大の湿原、立ち入りは厳しく制限され、今も手つかずの自然が残り、特別記念物・タンチョウが美しい羽を広げます。
同じ、釧路出身で「挽歌」を読み文学に目覚めたという直木賞作家・桜木紫乃が、大自然や温泉町、懐かしい町の風景など、少女時代に感じた「挽歌」の世界を旅します。