にほん風景物語
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井上ひさし青春の仙台 "青葉繁れる"城下町
「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく
ふかいことをゆかいに、ゆかいなことをまじめに、」
日本の小説家、劇作家、放送作家と多彩な顔を持つ井上ひさしの座右の銘です。
山形生まれの氏が第二の故郷と親しんだ宮城県仙台で書き下ろした名作「青葉繁れる」。
名門仙台第一高等学校へ進み、半自伝的小説にした青春群像劇はどのようにして生まれたのか?
舞台となった仙台は昭和20年、空襲により焦土と化し、終戦直後の混沌としたなかで、学都仙台とも呼ばれるほど名門高の多い街へ発展。
その環境と井上ひさしを支えた同級生や恩師、授業中抜け出して通った近所の駄菓子屋や、
魚屋さん。目と鼻の先にある名門女子高、映画に明け暮れた学生時代。
そんな主人公「稔」が妄想ばかり抱いていた苦しくとも楽しき杜の都を
生前、氏と親交のあった作家・高橋源一郎が「青春」を旅します。