世界の名画 ~素晴らしき美術紀行~

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ストーリー

尾形光琳
京・江戸 華麗なる琳派の旅

世界の名画 ~素晴らしき美術紀行~

オーストリアの巨匠、クリムト。「接吻」に代表される作品には金箔が多用されています。西洋絵画に革新をもたらしたクリムトの金。そのルーツは日本にありました。背景が金で埋め尽くされた「風神雷神図屏風」。この絵は琳派と呼ばれる絵師たちがそれぞれの個性を加えながら継承してきた作品です。琳派の金が西洋の画家たちに多大な影響を与えたのです。
琳派を代表する絵師、尾形光琳。洗練の極みとも言われる「燕子花図屏風」、大胆な構図の「紅白梅図屏風」などの名画はいかにして誕生したのか?光琳の足跡を辿りながら、名画の秘密を探ります。
1658年、京都で呉服商を営む家に生まれた光琳は、子供の頃から能や茶道、書道などに親しんでいました。その素養が絵画のモチーフや独特の画風に活かされています。実家の呉服商で得た経験も作品の中にも取り入れています。
47歳の時、江戸に住まいを移した光琳は水墨画との出合いなど様々な経験をする中で繊細な画風の作品も残しています。更に着物のデザインなども手掛けています。光琳は日本美術史上最大のデザイナーとも評される人物。再び京都に戻ってからは陶芸家の弟・乾山の焼き物に光琳が絵付けをした作品も多く残しました。
光琳の代表作「風神雷神図屏風」は彼が心の師と仰ぐ俵屋宗達の作品を模写したもの。
宗達と光琳の画風、解釈の違いとは?更に、「風神雷神図屏風」は後世の画家にも受け継がれます。時を超えて継承される琳派の美。西洋の巨匠たちをも魅了する琳派の技と美学に迫ります。