辰巳琢郎の家物語 リモデル★きらり
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出入口がいっぱい出来た横浜の白い家

横浜市の南部に位置する港南区。住宅地として整備された街並には野鳥のさえずりが響き、穏やかな時間が流れています。
今回訪ねるOさんは、ご夫妻と2人のお子さんの4人家族。10年ほど前に、ご主人のご実家に近い木造2階建てのこの家を購入しました。しかし、購入当時既に築25年ほど経っていたO邸は、住み続けるうちに床が剥がれて傾き、雨漏りがし、カビにも悩まされていました。また、壁には断熱材が入っていなかったり、玄関を開けるたびに外気が家中に入り込んだりし、熱効率も非常に悪かったのです。さらに土台まわりの木は腐ってしまい、家を支える筋交いは途中で切られ、役割を果たしていないことが判明。しかし、この家への強い愛着があったOさんご家族は建て替えるのではなく、耐震性や断熱性を高め、家族4人が安心して長く住み続けられる家へとリモデルすることを決意。ゲストを招いてパーティーをするのが好きという奥様の希望を取り入れ、以前の家の面影を残しながらも快適な家を目指しました。
建物の南側に庭が広がるO邸。以前の玄関はその庭に面していましたが、日当りの良いところに玄関があるのはもったいないと考えたご夫妻。あえて玄関を北側に移動し、南側には日光が燦々と降り注ぐリビングダイニングキッチンをつくりました。壁はもちろん、既存の天井を剥がして出てきた梁も白く塗り、明るく開放的な空間に仕上げました。また、庭にはデッキを設置。ここで子ども達が元気に遊びまわったり、バーベキューをしたりと、Oさんご家族にとって大切な場所です。
ご自宅で近所の子ども達に英会話を教えている奥様。リビングの隣には、英会話教室を設けました。引き戸でリビングとの間を仕切れば、学習に集中できる環境が作れ、開けておけば、パーティーの時などにLDKと一続きの大空間が確保できます。また、生徒専用の玄関も新たに作りました。LDKと英会話教室の開口部からも頻繁に子ども達が出入りする、楽しい家になりました。
明るく笑い声の絶えないO邸には、子どもたちやご近所の方々が以前よりも集まって来るようになりました。リモデルで生まれ変わったこの家が、新たな地域の交流の場にもなっているようです。

 

渡辺貞明建築設計事務所
http://www.sadwat.com/

 
 
 
 

【平面図】

Before

After

Before After

■2階

Before

After

Before After