辰巳琢郎の家物語 リモデル★きらり
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ウェーブした壁とDJブースのある家

新宿区と千代田区の区境にまたがる市ヶ谷駅。皇居の外堀に沿って緑が繁るこの辺りは、大学のキャンパスやオフィスビルが立ち並ぶ商業地域ですが、駅から少し離れると、まだまだ古くからの住宅街が残る落ち着いた街並です。
今回訪ねるWさんは、そんな市ヶ谷界隈に建つ築47年のマンションに奥様とお子さんの3人でお住まいです。ご結婚後は、このマンションの別の部屋を借りて暮らしていましたが、お子さんの誕生を機に、リモデルを前提として中古マンションの購入を考えました。すると、同じマンションの違う部屋が偶然にも売りに出されていたのです。愛着のある街を離れずにすんだWさんご夫妻は、気に入っていたこのマンションの趣きを残しつつ、ご夫妻共通の趣味である音楽を楽しむためのDJブースを備えた、最高の食事と最高のお酒でゲストをもてなせる家を目指してリモデルしました。
以前は3LDKの間取りだったW邸。その壁を全て取り払い、部屋を南北に横切る、カーブを描く壁で空間を仕切ることにしました。LDKから寝室までを一つの空間として感じさせながらも、その絶妙なカーブによって適度に視線が区切られるようになっています。壁にはレコードの収納棚やDJブース、クローゼットを組み込みました。レコードは見せて収納する事でインテリアの一部にし、収納の隙間からはリビングにいる人の気配が感じられるようになっています。隣の住居との境はグラスウールと空気層で音楽スタジオと同じ防音仕様に変え、ご主人が存分に演奏を楽しめるようになっています。
以前のキッチンは壁向きでしたが、対面式に替え、カーブを描く壁でリビングと仕切りました。リビングからみると、まるでステージのように見えるキッチン。そこに立つとお子さんの様子もしっかり見え、さらに手の届く場所に全てが収まっていて使い勝手も抜群だと、奥様はおっしゃいます。収納棚に並ぶ奥様自慢の急須コレクションは、その色や形が映えるよう、背景となる壁を薄いブルーに塗装しました。
週末になると、ご夫妻の音楽仲間が集まります。「最高の食事と、最高のお酒と、最高の音楽」━このコンセプトを見事に実現したW邸には、ご主人が選ぶ心地よい音楽と仲間たちの笑い声がいつまでも響いていました。

 

スマサガ不動産
http://suma-saga.com/

 
 
 
 

【平面図】

Before

After

Before After