建物遺産~重要文化財を訪ねて~
バックナンバー
名古屋市庁舎
名古屋市庁舎は、名古屋城の旧三之丸に位置し、現在の建物は昭和8年(1933)に新築されたもの。建設にあたり設計競技が実施され、金賞となった平林金吾の案をもとに、名古屋市土木部建築課が実施設計を行った。鉄筋鉄骨コンクリート造、地上五階地下一階建で、正面中央に高塔を配した。外観は、タイルやテラコッタで飾り、車寄せや塔屋などは瓦屋根風の意匠になる。正庁、貴賓室、議場は各階の正面に配置され、伝統的な意匠を巧みに織り交ぜた格調高い意匠。当時の市庁舎として突出した規模を誇り、西洋的な建築様式に日本的な要素を取り入れ、昭和初期の記念的庁舎として、高い価値がある。