建物遺産～重要文化財を訪ねて～

旧高野口尋常高等小学校校舎

同校は明治８年(1875)に「村学」と称して開設された。明治４４年(1911)に「高野口尋常高等小学校」と改称し、昭和１２年(1937)に校地を移し新たに建設されたのが現在の校舎。校舎は木造平屋建、兵舎をモデルに造られ、南北棟を正面とし、その背後に４棟の東西棟が櫛形に配されている。昭和初期の木造校舎で、規模が建築面積３,５００㎡超と大きいのが特徴。柱には１５cm角の太いヒノキを用い、筋交いや方杖を多用するなど、耐震、耐風への工夫が見られるしっかりとした造り。関東大震災や第一室戸台風などの災害を経て発展改良された当時の最新構造手法が取り入れられている。設計者は、同校の卒業生「「藪原芳一(明治41年〜平成4年)」とされる。平成２３年(2011)に改修工事が完了。現役の小学校として使用されている。