建物遺産～重要文化財を訪ねて～

北海道庁旧本庁舎

煉瓦造、地上２階地下１階建。中央の八角塔屋、窓上部の二重アーチ、屋根のドーマー窓が特徴的。建物正面は装飾の多い華やかなデザイン、背面は２基の煙突がのびやかにそびえ、飾りの少ないシンプルな造りで、後ろ姿美人と言われている。１階玄関ホールには美しい三連のアーチが配されている。設計は、北海道庁の技師・平井晴二郎（のちに、逓信省帝国鉄道庁総裁、内閣鉄道院副総裁、貴族院議院を務めた）。ネオ・バロック様式、使われた煉瓦は道内産の約２５０万個、フランス積み。明治２９年(1896)八角塔屋撤去、明治４２年(1909)火災で内部を焼失、明治４４年(1911)復旧工事完了。現在の内部はその当時の形式。昭和４３年(1968)、北海道百年を記念し復原工事が行われ、八角塔屋も復原された。この建物は、現役で使われている全国の道府県庁舎のうち現存最古の建物であり、大規模な煉瓦造建造物の初期遺構である。