建物遺産~重要文化財を訪ねて~

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八千代座

山鹿市の町にある建物で、劇場建設組合を設立し資金を集めて建設された。木造2階建、入母屋造。高さ13m、総面積約450坪に及ぶ大規模な芝居小屋。小屋は洋風トラス構造を用いて柱を最小限にとどめている。また天井にはシャンデリアや提灯を下げるなど和洋折衷の意匠を凝らしている。格天井をうめる広告も当時の繁栄を見せている。廻り舞台、奈落、楽屋なども当初の姿をよく残している。また建設当時の文書類も受け継がれており、建築事情を知ることができる。江戸時代の伝統を受け継いだ本格的な芝居小屋として保存状態も良く、この種の建築が少なくなった現在、貴重な遺構である。