建物遺産~重要文化財を訪ねて~

建物遺産~重要文化財を訪ねて~

  • トップページ
  • バックナンバー

バックナンバー

旧松本家住宅[現・西日本工業倶楽部]

旧松本家住宅)

米国留学後、父・安川敬一郎と共に安川松本商店を創業し、石炭業などを興して成功し、明治専門学校(現・九州工業大学)の創設者のひとりであった松本健次郎が、自らの住まいと学校の迎賓館を兼ねて建築した。JR戸畑駅南東の丘陵地に約1.3haの敷地をもち、洋館、日本館(和館)からなる明治期の典型的な大規模邸宅として貴重な事例である。洋館は木造2階建、辰野金吾の設計。外観・内部、家具がアール・ヌーボーを基調としデザインされている。辰野の作品の中では異色の存在。日本館は安川松本商店の臨時建築部に在籍し、洋館の建築監督であった久保田三郎の設計。洋館とは廊下でつながっており戦後、進駐軍に接収され昭和26年(1951)まで独身将校宿舎として使用されていた。昭和27年(1952)北九州経済人の集まりであり地域経済と文化交流のために結成された、西日本工業倶楽部が松本氏から土地、建物を譲り受け、以後同倶楽部の会館として使用されている。(毎年春秋の2回一般公開。無料・要事前申込)