建物遺産~重要文化財を訪ねて~
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旧門司三井倶楽部[現・北九州市旧門司三井倶楽部]
三井物産門司支店の社交倶楽部として、門司の山の手・谷町の三井物産が開発した閑静な住宅地に建築された。木造2階建、洋風本館と和風付属棟からなる建物は松田昌平の設計。本館の外観はハーフティンバー様式で、梁や柱を見せ、その木造の骨組みの間に漆喰や煉瓦、石などで埋めた壁と大小の切妻屋根が印象的な建物。内部は各部屋にマントルピースが配され、ドア枠、窓枠、大階段の親柱等には幾何学模様のアールデコ調の飾りがされている。建築の翌年大正11年(1922)には、物理学者・アインシュタインが全国講演のために来日した際に訪れ5日間投宿、現在もその部屋は残っている。その後、建物は北九州市の所有となり、JR門司港駅(重要文化財)前に移設され一般公開されている。(年中無休。2階のみ有料)