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2013年8月2日・8月23日放送
2014年7月25日放送
「涼む×夏の音」
自然と共に暮らしてきたこの国の人々は五感で涼むことで厳しい暑さを凌いできました。今回は、日本の夏の音に見るエコの心を探しにでかけます。
岐阜県の中央に位置する町、郡上八幡。城下町として栄えたこの町は別名「水の町」と呼ばれ清らかな水音が響き渡っています。恵まれた地形と郡上の人々によって育まれてきた清流の文化は郡上八幡の貴重な遺産。町中に走る水路はその清流から分岐させたもの。今でも暮らしの中で利用され郡上八幡らしい音風景を私たちに見せてくれます。
郡上の朝。1日の始まりに聴こえてくるのは洗濯の音。郡上八幡ではよく見かける風景。美しい水と共に歩む郡上八幡。次の場所へ向かったのはお昼少し前。水舟は山から水を懸け流しにした特有の水利用システム。町にはいくつも共同の水舟があり食事の支度時には心地よい水音が聴こえてきます。正午すぎ。吉田川には子供たちが集まりにぎやかな声が響いていました。この、水に飛び込む音は後世に残したい音として環境省が定める「日本の音風景百選」の1つに選ばれています。国の重要無形文化財に指定されている郡上おどりは、祭りの合図とともに、人々の手拍子と下駄の音がこだまします。郡上おどりは江戸時代から続く日本三大盆踊りの一つ。郡上おどりの特徴は誰でも自由に参加できることと踊りの演目が10種類と豊富なこと。中世の念仏踊りや風流おどりの流れをくむとされる郡上おどりはお囃子や三味線、太鼓がリズムを取る屋形。それを囲んで踊る人々の手拍子や下駄の音が合わさり一つの音を奏でる。8月の盆の時期、郡上の人々は朝まで徹夜で踊り明かします。
のどかな山間の町が夕闇に包まれる頃、川から聞こえてくる、この高く澄みきった鳴き声。鳴き声が鹿に似ていることから、河鹿と呼ばれる、カジカガエルです。カジカガエルの鳴く町は、鳥取県中部にある、三方を山々に囲まれた静かな温泉街、三朝町(みささちょう)。カジカガエルは古くから美しい鳴き声で知られ、詩歌にもたびたび登場。ラフカデオ・ハーン、小泉八雲はカジカガエルを「日本の歌う蛙の代表」とたたえました。昭和5年、三朝を訪れた与謝野寛(鉄幹)はカジカガエルの鳴き声が響く三朝の風情をこう詠みました。 「清き瀬の 岩にすがりて月待つと 渓の河鹿の 吹ける口笛」 カジカガエルは日本の固有種で、本州、四国、九州の清流の岩間に生息し、清流の象徴とも言われていましたが、近年、全国的にその数が少なくなってきています。三朝町でも、一時、カジカガエルが激減、夏になってもカジカガエルの鳴き声が全く聞こえなくなったのです。原因は環境汚染による川の汚れでした。度重なる河川工事や原流域の森林の荒廃により、川が汚染され、カジカガエルが住み家を失ってしまったのです。危機を感じた地元の有志たちが、カジカガエル保存研究会を結成。カジカガエルはきれいな水がないと生きていけません。つまり、カジカガエルは環境のバロメーターでもあるのです。三朝町でも1995年からは、川の水をきれいにするため、カジカガエル保存研究会が中心となり、三徳川の源流に広葉樹の植樹を始めました。植樹は今も毎年行われています。地元の人々の粘り強い活動が実を結び、再び、カジカガエルが鳴き始めました。そして、その鳴き声を未来に残す取り組みも行われています。
夏の夜空を彩るものと言えば打ち上げ花火です。五感で楽しむ夏の音、花火。この夏も全国各地の花火大会に出場する製造元へ訪れました。本格的な夏を前に、花火師は今がもっとも忙しい時期。ここで花火を作る工程を簡単に説明します。まず花火の星という火薬玉の製作。次は仕込み(玉込め)という花火玉に星を詰めていく作業。最後の行程は玉貼りという仕上げ作業。実はこの玉貼りが花火の音を左右するのだと言います。 三重県伊勢市。ここで今年で61回目を迎える「伊勢神宮奉納全国花火大会」が行われます。三大花火競技大会と言われ全国から花火師達が集まり、10組で作品を競い合うというもの。全国でも早い時期に開催されるこの花火大会は花火師たちにとって夏の始まり。だから特別な想いがあります。辺りが涼しくなってきたころ、会場に人々が集まり始めました。皆、思い思いに花火を待ちます。そして美しく散って行く花火。夏の到来を感じさせます。
岐阜県、長良川。名水百選に選ばれている清流、長良川は毎年この時期、夜になると幻想的な音風景へと姿を変えます。それは…鵜飼。1300年以上に渡って伝えられてきたこの漁法は今の時代まで伝統的な音を奏でてきました。鵜飼の音風景は昔から夕涼みの定番として私たちに涼しさを届けてくれます。鵜飼の準備は夕方から始まります。長良川の鵜飼は代々世襲で親から子へとその技が受け継がれてきました。鵜匠として大事なことは鵜に声がけし、心を通わせることだと言います。人間と鵜が心を通じ合わせなければ鵜飼は成立しません。かがり火の元に鮎を集めて漁をする鵜飼。辺りが暗くなった頃始まります。船を叩く音とかがり火に驚いた鮎を人と鵜が一体となって捕え、鵜匠のホウホウと鵜を励ます声がこだまする伝統の音風景。日本の音100選にも選ばれています。多くの文化人にも愛された鵜飼。松尾芭蕉は岐阜を訪れた際鵜飼を見物し「おもうしろうて やがてかなしき 鵜舟かな」という句を残したほか名優チャールズ・チャップリンは2度鵜飼見物に訪れ素晴らしいと絶賛しました。人間と鵜が奏でる伝統的な音は私たちに涼しさを届けてくれます。
有限会社 関島煙火製造所
(工場)〒395-0000 |
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神宮式年遷宮奉祝
第61回伊勢神宮奉納全国花火大会 |
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関遊船(尾瀬鵜飼)
〒501-3265 |
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鵜匠の家 岩佐(鮎料理フルコース)
〒501-3264 |