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2012年1月6日・20日放送 「集う×鍋」
世の中が、冷たい空気に包まれる冬。
そんな、本格的な寒い季節に、恋しくなるのが…「鍋」。
日本の冬を象徴する料理のひとつです。
「鍋を囲む」というように、鍋のまわりでは、料理する人も食べる人も一緒。
家族や友人が集まり、鍋を楽しむ。
湯気の向こうには、あたたかい笑顔があります。
素材を活かし、人の心を引き寄せ、中も周りもゆっくりと温めていく。
日本には、多くの鍋料理があります。
地方色豊かな、山の鍋、里の鍋、海の鍋……
日本の鍋が培って来たエコの心に迫ります。
北海道釧路市。
春夏秋冬、様々な海の幸に恵まれた北海道釧路港では、この時期はタラが旬を迎えています。
タラを使った鍋の代表はタラちり。
釧路市にある炉端焼きのお店を訪ねました。
冬になると旬の食材を活かした鍋料理が振る舞われます。
郷土料理「三平汁」。
誕生は有り合わせの物で作った汁をお殿様が気に入ったことと言われ、材料はタラの頭とアラ、しっぽ、ジャガイモ。
ともすれば捨ててしまいそうな魚の部位からしみ出るダシ。
その土地で採れる旬なものを使う。
自然からの恵みを最大限活かす。
地産地消と物を無駄にしない心。
それが、日本に多彩な鍋料理が生まれた理由なのです。
三重県伊賀市。
古くから茶道具など伊賀焼で知られるこの地で、 “あるべき土鍋の姿”を伝える窯元を訪ねます。
世の中に出回る土鍋のほとんどが型で成形し大量生産される中、土楽窯ではあえて手づくりにこだわります。
最大サイズになると10キロの土を使う精神力と体力のいる仕事。
土があってこそできる 焼き物の鍋。
土という自然の恵みに対して、人間も出来るかぎりの手間をしてこそ、土もその思いに応えてくれる、という自然に対する真摯で謙虚な心のよう。
人の手によって形作られた鍋たちは一つ一つが同じ形のようでいて、ひとつひとつが、生き生きした個々の命のようでもあります。
1200年の歴史を持つ、都 京都。
ここに330年間、たったひとつの鍋料理だけを提供し続けるお店があります。
店の名は「大市」。
大市がこだわり続ける鍋料理は「すっぽん」。
そして、この店で330年間徹底的にこだわり抜いているのが土鍋です。
必要以上に何かを足す事無く、最大限に自然の恵みの魅力を引き出し、「味」という伝統と文化を伝え続ける。
それは、自然の恵みに対する330年変わらない作法なのかもしれません。
地方の特産物を活かす多様な鍋料理。
食材の持つ恵みを最大限引き出す土鍋。
エネルギーを有効に使う知恵。
ひとつの火、ひとつの灯りの下に集う人々。
そこから生まれるコミュニケーション。
日本料理のルーツ 鍋文化を通して見えてくるのは、日本人の心の文化そのもの。
そこには、自然と共存していた、エコの文化があります。
土楽
住所:〒518-1325 三重県伊賀市丸柱1043 |
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炉ばた 釧路しつげん
住所:北海道釧路市栄町4丁目1(灘万ビルうら) |
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大市
住所:京都市上京区下長者町通千本西入ル六番町 |
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ユナイテッドアローズ 原宿本店 ウィメンズ館
住所:東京都渋谷区神宮前2-31-12 B1・1F |
エリカ・アンギャル
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