ボクらの地球
放送内容
中山エミリが古代カヌーに挑戦
奇跡の7つの島
世界遺産パラオ・ロックアイランド
全てあわせても屋久島とほぼ同じ面積という、隆起サンゴ礁の小さな島々からなるパラオ。550余りの島々の、ほぼ中央に位置する通称「ロックアイランド」は、約10万ヘクタールの海にマッシュルーム型大小445の無人島が点在。サンゴが作り出した独特の景観が魅力となり、2012年に世界遺産に登録された。
実はパラオにはもうひとつ貴重な"遺産"が残っている。それは5000年前、人類が大陸から海へ乗り出した時に使った"航海術"。人々は小さなカヌーで、星・波・風といった自然のサインを最大限に活用し、海を渡り大西洋に散らばる島々にたどり着いた。
コンパスや計器、モーターもない状態で、大海原での自分の位置、そして目標の島を正確に割り出せる驚異的な航海術を操ることができる人物が、今もパラオに住んでいるという。現地の子供たちに伝統航海術を教えるセサリオさんだ。今回、「休日には船に乗り、のんびり波に揺られて至福の時間を過ごす」と話す女優・中山エミリが、セサリオさんと共に伝統の船でパラオの"奇跡の7つの島"を巡った。
パラオは世界一生物の種類が多い豊かな海。美しいサンゴの海にはジュゴンやマンタ、ウミガメ、ナポレオンフィッシュなど、たくさんの生き物が住み着いている。そして、島々を作り上げたサンゴは、パラオにたくさんの奇跡も作り出していた。
その1つは、サンゴの隆起によってできた石灰石で覆われた島。石灰石は水に溶けやすく、泥となって水中に沈んでいる。その泥が美容によいと大人気。中山も天然エステを体験した。
さらにもう1つの島には、世界で唯一クラゲと一緒に泳げる湖がある。本来なら毒を持つクラゲだが、天敵のいない楽園のような湖で独特な進化を遂げ、毒をもたないクラゲに変化した。数百万匹のクラゲが泳ぐ奇跡の湖を満喫する中山。
そして、人が住む島では、5000年前にこの島にたどり着いた人類が、どのようにサンゴの恩恵を最大限に受け取ってきたのか、その文化から垣間見ることができる。今も伝統航海術が残っていることにも、サンゴは大きく関わっていた。
独特な海底洞窟や、太平洋戦争中に沈んだ戦闘機が今は魚たちのすみかになっている皮肉な現実…。サンゴの島・パラオの7つの島の奇跡に迫る。