ボクらの地球

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放送内容

火の国 ニッポン新発見!
箱根・道後・有馬
知られざる名湯の不思議

~火山列島・日本~

去年、小笠原諸島の西之島付近で起こった噴火により新島が誕生し、今も成長を続けている。島から湧き出した熱水(=温泉)によって周辺海域はエメラルドグリーンなどの色に染まっている。一体、地下では何が起こっているのか? その謎を解くカギが、同じ東日本火山帯に属する箱根にあった。

~火山の集合体、箱根の山の温泉は火山性温泉~

古くから温泉街として栄えてきた箱根では、最近、地元の温泉や水を使った料理が評判。温泉しゃぶしゃぶ、湯葉丼に舌鼓を打った髙田は温泉へ。ここで、多くの泉質の温泉が箱根に集まっていることに気づく。箱根にはいくつもの火山が集まっていて、噴火を繰り返すたびにさまざまな地層が積み重なった。どこを通って噴出するかによって泉質が違う温泉となる。マグマの熱によって温められ湧出したこうした温泉は火山性温泉と言い、日本の温泉のほとんどがこれに属す。源泉は100度近くあるところも。一方で、周囲に火山が無い場所でも、日本国内各所には温泉がある。

~非火山性温泉の代表、道後温泉は文化~

日本最古、3000年前に発見されたという愛媛県松山市にある道後温泉。朝6時を告げる太鼓の音とともに、道後温泉本館に人々がなだれこむ。夏目漱石「坊っちゃん」の舞台で、町のシンボルともなっているこの温泉には、一番風呂に入らないと気が済まない人、健康のため、歴史を感じるためなど、さまざまな思いを胸に観光客や地元の人たちが集まる。 道後のお湯はアルカリ性単純温泉。"美人の湯"とも言われるこのお湯を、6人の源泉管理人が24時間交代制で守り続けている。20~55度の源泉をブレンドし、加水、加熱することなく適温を作り出す。道後温泉の周りに火山はなく、この辺りは非火山性温泉と呼ばれ温度が低いのが特徴。しかし、同じ非火山性でも100度近くになる温泉地もある。

~特殊な非火山性温泉・有馬温泉は壮大な地球の営みによるものだった~

豊臣秀吉が何度も訪れたという、"関西の奥座敷"と呼ばれる兵庫県有馬温泉。お湯の色が金色で、古くから良質な温泉が出ることで知られていたが周りに火山はなく、そのシステムは分かっていなかった。しかし去年、京都大学の研究者・川本竜彦助教がフィリピン・ピナツボ火山の噴火岩から、岩石に水が閉じ込められていることを発表。有馬温泉のお湯は、地下60km、600万年の時をかけて地表に出てきていることがわかった。 奥深い温泉の真実。その不思議を追い求めると、日本列島誕生の歴史へとつながっていたのだ。