ボクらの地球
放送内容
榮倉奈々のメキシコ ~幻の文明と聖なる泉の秘密~
メキシコ湾とカリブ海に突き出たユカタン半島には、地上を流れる川はない。石灰岩から成り立つユカタンでは、降り注いだ雨は地中に浸み込み、長い年月をかけて地底に長大な泉「セノーテ」をつくる。石灰層にろ過されたセノーテの水はどこまでも透明で、鍾乳石に飾られた幻想的な水中景観をつくり出す。そして…。
セノーテは独特な自然環境を育み、幻の古代文明であるマヤ文明を発展させた。マヤ文明繁栄の根底には、このセノーテが流れる地下世界が大きく影響していたのだ。
女優・榮倉奈々がユカタンの自然と神秘の泉・セノーテを体感し、マヤ文明と自然とのかかわりを探っていく。
【チチェンイツァ】
1988年に世界文化遺産に登録された、マヤ文明最大の都市遺跡「チチェンイツァ」。ここで榮倉さんの目に飛び込んできたのは、圧倒的な存在感を放つピラミッド「カスティーヨ」。
このピラミッドは、高度な天文学の知識を得るものであると同時に、王様や身分の高い祭司が祈りや儀式をして、太陽へいけにえの心臓をささげる場所でもあった。さらに、このピラミッドの近くにはセノーテがあり、そこには汚れなき少女のいけにえがささげられた。
このセノーテこそが、マヤの人々の生活を支え、文明を発達させたものであった。
【マヤの人々】
チチェンイツァから40kmのところにあるショケン村には、マヤの末裔(まつえい)が暮らしている。彼らはセノーテの水を生活水として使い、大地に感謝し、体に異変があるときには、大地の精霊に祈りをささげる儀式を行なう。
【イスラ・ムヘーレス】
ユカタン半島の先端に位置する観光都市・カンクンから船で30分ほどの場所にあるムヘーレス島。カラフルな町並みが人気のこの場所は、リゾート地と自然が共存することを考えさせられる場所でもある。
榮倉さんはリゾート化した浜辺で産卵できなくなってしまったカメの繁殖センターや、イルカやマナティと触れ合うことができる施設を訪ね、共存のむずかしさと大切さを知ることとなった。
【セノーテ】
現在、ユカタンでは3000を超えるセノーテが確認されている。榮倉さんはその中から2つのセノーテを訪ねた。長い年月をかけて自然がつくり出した地下世界は、どこまでも透き通った水と鍾乳石が光りに照らされ、息を飲むほど神秘的な世界が広がっていた。
この地下水脈のいくつかは海へと続いているという。
【トゥルム遺跡】
マヤ遺跡の中で唯一海に面し、マヤ文明終えんの地となったトゥルム遺跡。セノーテが育んできた美しいカリブ海を望むこの場所で、榮倉さんは何を思うのか…。