北前船の海道(かいどう)をゆく

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放送内容

第4夜「新潟湊 大河で栄えた北前航路最大の商都」

シリーズ第4夜は 日本海沿岸随一に賑わい新潟湊とそれを支えた舟運。
新潟県の主な港は、北から岩船、新潟、出雲崎、柏崎、今町(上越市)。佐渡は小木。
最も取り扱いが多かったのは新潟湊。元禄時代、新潟湊に入ってきた船は40か国年間3500艘あまりといわれ、取扱いは50万両にも及ぶ日本海沿岸随一の繁栄をみせた。
モノが集まればヒトも集まってくる。老舗料亭が並ぶ古町界隈で江戸時代からの伝統と格式を引き継いでいる料亭に残る北前船が運んだ品々。江戸時代後期の絵師・長谷川雪旦(せったん)はその旅日記『北国一覧写(ほっこくいちらんうつし)』には、古町花柳界の名妓たちの名前や特徴と共に似顔絵、料理が残されていた。番組では、豪商たちが食べた当時の料亭の料理を再現した。

新潟を代表する民謡、佐渡おけさ。哀愁漂う節回しと優雅な踊りが特徴である。新潟県には、各地域に『おけさ』が歌われているが、そのルーツは九州熊本の牛深(うしぶか)のハイヤ節。
北前船の船乗りに唄い継がれ、渡って来たのである。一方、新潟から各地に伝わった民謡もある。北海道を代表する民謡「江差追分」のルーツは、古町芸者衆が歌った「新潟おけさ」だ。さらにそのルーツは、信州中仙道で唄われた馬子唄。それぞれの民謡を聴き比べ、そのルーツを探るってみると・・・。
新潟平野には、信濃川と阿賀野川という二つの大河が流れている。この大河の舟運が、新潟湊繁栄の理由である。新潟には、独特の舟運制度やそれに伴う米の取引の仕組みが、発達する。阿賀野川の上流、東蒲原は会津藩領。内陸の大藩会津藩松平家23万石に阿賀野川は生命線。阿賀町津川には、会津藩の川湊が置かれた。内陸の会津のご馳走は「鰊の糀漬け」。どの家でも正月に鰊を漬ける。北海道の鰊が、北前船に積まれ、川を上り、ここに辿りついたのだ。
そして、新潟の舟運がもたらした文化や祭りの数々。新潟塗りは、技法が海、川、街道を通じて各地から伝わり新潟で融合し出来上がった技術。まさに海と川が出合う、交通要地新潟だから生まれた漆塗りだ。