昭和偉人伝
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黒澤明
映画監督・黒澤明。生涯において全30作品を世に送り出し、日本のみならず世界の映画ファン・映画監督たちが崇拝する、不世出の大巨匠だ。
昭和29年に公開された『七人の侍』は、それまで主流だった"歌舞伎調"の時代劇から脱却した革新的な作品で、大幅なスケジュール超過、そして膨大な製作費をかけて撮影された。現場では波乱を巻き起こし、後に日本映画界に語り継がれる"黒澤伝説"を生み出した。
日本人初となるアカデミー賞名誉賞受賞という偉業を成し遂げた黒澤は、「世界のクロサワ」「映画の天皇」とまで称されるように。その栄光の裏側で、長きにわたる苦悩と葛藤を抱えながらも、黒澤は人生の最後まで映画の現場を離れることはなかった。
映画の世界に夢を託した、黒澤明の原点とは? 「七人の侍」から黒澤組に参加した俳優・土屋嘉男さん、40年にわたり黒澤映画を支えたスクリプター・野上照代さんほか、関係者の証言を基に、その実像に迫る。