昭和偉人伝

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島秀雄

現在の最高時速270キロ、世界初の高速鉄道・東海道新幹線が開業して今年で50年。その間、乗客の死傷事故はゼロ。高速でありながら安全な走行技術は今や日本のみならず、フランスや台湾など、海外の鉄道網にも生かされています。

しかし、そんな世界に冠たる交通機関を作った人物はあまり知られていません。
彼の名は、島秀雄(1901~1998)。旧・国鉄に入局以来、技術畑ひとすじ。戦前・戦後にかけ、国有鉄道という大組織のなかでD51や、「ビジネス特急こだま」など数々の傑作を生み出し続けてきたスーパーエンジニアでした。

島が手掛けた新幹線プロジェクト。しかし彼の前には、相次ぐ鉄道事故によって募りに募った国鉄に対する国民の不信感、天文学的数字にのぼる開業資金に対する予算不足、高速走行に発生する振動に対する技術開発など、数々の難関が立ちはだかっていたのです。
そんな中で島は、どのようにエンジニアたちを統率し、思いを結集させ、新幹線を開通させたのでしょうか。
その裏には、同じ鉄道の世界で高速鉄道を夢見ながらも他界した父親・安次郎の無念、そして何よりも将来の日本には電車が走ると見据えて、戦前から疎開先で研究を進めていた彼自身の明晰なビジョンがあったのです。
番組では生前の彼を知る貴重な関係者にインタビュー。
暗い戦争の影を抜け、高度成長の夢を乗せて走り出した新幹線の生みの親、島秀雄の人間像に迫ります。