ヨーロッパ路地裏紀行

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[ ハンガリー ]  ハヨーシュ通り ブダペスト






第24回の舞台は「ハヨーシュ通り」。国立歌劇場(オペラ座)の脇から延びる 長さ500メートル程の通りだ。 お洒落なショップや音楽関連の店が立ち並ぶこの通りは、大部分が歩行者天国。 普段は地元の人が行き交う静かな通りだが、 シーズンになると芸術を愛する多くの人が集まってくる。

*元オペラ歌手 チャーニ・ヤーノシュさん(82歳)

この通りに暮らす、元オペラ歌手のヤーノシュ。 オペラ座の舞台に初めて立ったのは38歳。以来30年間、オペラ座の舞台に 立ち続けた。オペラはヤーノシュの人生そのものだ。 今は現役も引退して、妻と二人、悠々自適の年金生活だが、 オペラ歌手時代の栄光の思い出はヤーノシュを支え、元気付けている。 実は主に舞台監督をしているひとり息子も、かつては共にオペラ座に立った オペラ歌手。さらに今、二人の孫たちも音楽の道に進み始めたことが ヤーノシュにとってこの上ない喜びであり、誇りだ。

*電気修理工 ウィンドハルト・ティボルさん(70歳)

通りで40年以上、一人で電気製品の修理店を営んできたティボルは 大のオペラ好き。店ではいつもオペラを聞きながら、仕事をする。 社会主義の混沌とした時代に生きたティボルの人生には、時として不幸も訪れたが 常にティボルを癒し、支えてくれたのがオペラだった。 もう70歳のティボルだが、オペラを聞きながら仕事をする毎日は楽しい。 この通りにオペラ座がある限りは、現役で頑張っていくつもりだ。