中国神秘紀行
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世界最大の市場 たくましき商魂の原点 ~浙江省~
今回は、中国の東部の沿岸部に位置する浙江省(せっこうしょう)を旅します。浙江省は、近年の著しい中国の経済成長の一端を担い、かねてから商才に長けた人々が暮らす所として知られています。今や中国国内だけでなく世界中にネットワークを持つという商売成功の秘密に迫ります。
まず訪ねたのは浙江省のほぼ中心部に位置する義烏(ぎう)の町です。人口およそ200万のこの町で、世界中から商売人が集まる所があります。義烏国際商貿城です。ここは世界一の規模を誇る日用品の卸売り場。店舗の数は6万2000以上、扱う商品は170万点にも登ります。 1日にこの卸売り場に出入りする人々の数は平均21万4000人という膨大な数です。一体、なぜこんなにも大規模に商品販売は展開されるようになったのでしょうか?実は、義烏の歴史と深い関係があるのです。
数多くの商品の中で急激な成長を遂げる分野があります。女性のアクセサリーなどの装飾品を扱う市場です。この市場で成功を納めた女性起業家に密着、商売の秘訣を探ります。
そして次に向かったのが浙江省の太平洋沿岸部に位置する温州(おんしゅう)の町です。800万を越える大都市です。町には高層ビルがいくつも立ち並び外国製の高級車は珍しくもないほど溢れています。1980年代から急速な経済成長を遂げたこの町で商売人の活力となっているのが、豊富で新鮮な海鮮料理です。温州で庶民に愛されているレストランでは、なんと1000種類ものメニューがあり人々は食欲旺盛な日々を送っている姿が垣間見れます。温州 名物の海鮮料理をたっぷりとご紹介いたします。温州料理は、日本人にもなじみやすい味付けでおいしいと最近、人気も上がっているのだそうです。
さて、義烏に温州と商売人としての資質はどういった所から誕生したのでしょうか? 実は、昔ながらの人々の習慣や伝統の暮らしにその秘密があるといいます。そこで、訪れたのは楠渓江(なんけいこう)という風景明媚な土地として知られる所です。ここの村では、伝統的な暮らしと商売が今も残っています。代々引き継がれてきた2000年の歴史を持つソーメン作りや800年以上に渡って家系図を作り続ける職人を通して商売の資質を培ったものとは何かを見つめていきます。そこには日本の「もの作り」にも通じた仕事に向かうひたむきさと、人々の深い絆が見えてくるのです。
初回放送:2010年5月7日