中国神秘紀行
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二つの世界遺産 孔子の故郷と泰山 ~山東省~
今回は、仏陀やソクラテスと同時代を生きたと言われる中国屈指の思想家「孔子」の故郷を訪ねます。
そこは山東省(さんとんしょう)の曲阜(きょくふ)です。かつて孔子とその末裔の一族が支配した曲阜には、今も孔子と深い関わりを持つ人々が数多く暮らし、歴史的な建造物とともに訪れる人々を魅了するのです。孔子一族に密着取材し、曲阜の魅力を探りながら中国名山のひとつ泰山(たいざん)へと向かいます。
曲阜で歩けば、必ず「孔子」と同じ「孔」の名字を持つ人に出会うと言われるほど曲阜には孔子の子孫が数多く暮らし、その数およそ13万。世界には、孔子の子孫は300万人以上いると言われています。
町にある孔子ゆかりの建造物が孔廟(こうしびょう)、孔府(こうふ)、孔林(こうりん)の3つです。これらは、世界文化遺産に登録され、見所は多く建築の素晴らしさを楽しめます。孔子廟は、紀元前478年、孔子がなくなった一年後に建造され、その後、歴代皇帝が寄進を行い、現在の規模となりました。龍の浮き彫りのある巨大な18体の石柱を持つ壮麗な大成殿です。孔府は歴代の孔子の子孫が住んだ邸宅兼役所です。中国北方地方の代表的な貴族邸宅です。 463もの部屋を持つ広大かつ華麗な建物は、当時の孔家の権力をうかがわせます。孔子林は孔子と一族の墓地で、孔家一族の墓が16万箇所点在しています。塀の長さだけは7.5キロがあります。世界で一番大きい墓地といっても過言ではありません。現在も曲阜に暮らす孔子直系の家族の暮らしと共に、現在も人々に深く宿る孔子の世界とその魅力を見つめてゆきます。現代に生きる孔子一族の姿には、家族の深い絆がありました。そして、向かうは曲阜の北にある標高1545mの泰山(たいざん)です。現在、世界自然文化遺産に登録され歴代の皇帝も孔子もその山の霊験あらたかな世界に惹かれ足を運びました。泰山は中国人の信仰の山、一体なぜ人々はこの山に向かうのか、そこには古来から引き継がれる秘密があるのです。頂上までの階段は7000段以上、中国の名山、泰山を堪能します。
初回放送:2009年5月7日