中国神秘紀行

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作品内容

水滸伝 梁山泊 今に生きる豪傑たち ~山東省~

今回は、中国四大奇書のひとつとして名高い「水滸伝(すいこでん)」の世界を旅します。水滸伝は、今からおよそ1000年前の中国統一王朝「宋」の時代の史実をもとに小説化した物語で、元の末期から明の始めに書かれたものとされています。その内容は、朝廷に対向する武勇に優れた豪傑108人が運命の糸に惹かれて梁山泊(りょうざんぱく)という山に集結し盗賊団となります。そして朝廷に挑みながら次々と戦いのさなか死んでゆくという悲劇です。
梁山泊に集結した豪傑たちは、当時の権力に歯向かうアウトロー(無法者)。
そのアウトローの世界が今もあるというのです。一体、どうゆうところなのでしょうか?訪ねたのは、水滸伝の舞台となった山東省、その西部に梁山泊が今もあるのです。現地では「水泊梁山(すいぱくりょうざん)」と呼ばれています。水滸伝とは、「水のほとりの物語」という意味、梁山泊には東平湖という大きな湖が広がります。そこは、新鮮な魚で知られる地、巨大なコイ料理を堪能しさらに梁山泊を南へと向かいます。かつては水辺が点在していたこの地域は、昔と違って水辺がほとんど無くなってきているそうで黄河の環境が影響しているのだとか。
さあ、梁山(りょうざん)の町に到着、どの店も看板も水滸伝にちなんだものばかり、さっそく108人の豪傑が集結したという山に向かい小説の世界を忍びます。しかし、アウトローの世界はどこにあるのでしょう?
実は、ふもとの町の人々の暮らしにしっかりと根付いていたのです。
人々は日頃から戦いに関するものを、特に男達が好む傾向にあるんだそうで、なんともおっかない感じもしますが、そのひとつが「闘鶏」や「闘羊」です。
普段から特殊な訓練を受けた鶏(シャモ)が戦いに挑みます。
一体、勝つ為の特殊な訓練とは何なのでしょうね?
そして、自らを戦いの世界へと導いているようで、人々の多くが武術を会得しているのです。それは、水滸伝の原点となった宋の時代から地元に引き継がれる伝統武術のひとつで「中華子午門功夫(ちゅうかしごもんかんふー)」と呼ばれいます。日頃から仲間同士で集い激しい練習を繰り返す様は、水滸伝のアウトローの世界を彷彿とさせます。一体、どんな武術が飛び出すのか楽しみです。彼らの食事もまた豪快です。肉をかぶりつき、60度の酒壷を一気に飲み干します。梁山泊には、英雄豪傑の気風が今も人々の心を熱くし、暮らしの中で重要な位置を占めているのです。豪快な人々の暮らし、今は戦いはなくとも快活に暮らす人々の知恵なのかもしれません。

初回放送:2009年4月23日