中国神秘紀行
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長江 三国志の旅 赤壁の戦いの秘密 ~湖北省~
今回は、中国の中部を流れる大河・長江の中流部を「三国志」の面影をたどりながら旅をしてゆきます。そこは、三国志に登場する「赤壁の戦い」でも知られる有名な所です。「赤壁の戦い」は、今からおよそ1800年前に孫権と劉備の連合軍およそ10万の水軍と中国北部の華北地方を治めていた曹操軍およそ80万の水軍が、長江を舞台に戦います。ところが、わずかな兵で望んだ連合軍が火攻めの策略で大勝利を治める戦いです。
一体なぜ、わずかな兵でもって勝利を治めることができたのか、その秘密に迫ります。実は、その謎を解く鍵が1800年もたった今も残されているのです。
旅の始まりは、湖北省の武漢(ぶかん)。長江中流部の発展都市のひとつで、ここからまずは、赤壁へと向かいます。「赤壁」は、戦いの炎が対岸の壁にまで反射し赤く染まったことから名付けられたといいます。
この赤壁から長江を渡り北部にあるのが、洪湖(こうこ)という湖です。
ここは、孫権の水軍が日頃訓練を行っていたところとされています。その水軍の末裔と言われる人々が洪湖に暮らしています。なんと、彼らは生まれてから死ぬまで湖の上で暮らす水上生活を三国志時代から続けているというのです。彼らの暮らしの中に、赤壁の戦いの勝利の秘密を探ってゆきます。
また、この赤壁の戦いで、大きな役目を果たしたのが諸葛亮(諸葛孔明)。
彼の巧みな交渉術よって孫権と劉備の連合軍が成立したのです。
聡明で優秀な策略家として知られる諸葛亮が、どのようにして誕生したのかその謎にも迫って行きます。
まずは、諸葛亮が使えた劉備が築いた町、荊州(けいしゅう)を訪れます。
そこに築かれた城は、強固な要塞で守りに徹した構造を今も見る事ができます。
そして、「三顧の礼」でも知られる諸葛亮が暮らしていた場所も紹介します。
諸葛亮は、風水の術も習得し霊的な力も持っていた人物ともいわれています。
劉備に使える前に彼が修行をしていたとされるのが世界文化遺産に指定されている武当山(ぶとうざん)です。ここは、中国でも知られる「道教」の聖地のひとつ。陰陽の印でも知られる独特の世界は、後に中国武術の「太極拳」も生み出した発祥の地です。ここで、かつてこの山にいた諸葛亮を彷彿とさせる道士と出会います。50年以上も山で暮らし修行をする道士の暮らしの中に諸葛亮と通じる思いを見つめてゆきます。
三国志を追想する旅は、1800年もたった今も人々を惹き付けるのです。
初回放送:2009年2月19日