中国神秘紀行
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長江の船旅 水辺の民を訪ねて ~重慶~
今回は、中国の中部を流れる大河・長江を旅します。2003年に貯水と発電が始まったのが「三峡ダム」です。ダムの堤の長さは2309m、総貯水量は393億・3と、その規模は世界最大級を誇ります。しかし、ダムによって長江下流部は水位が100~150mも上がり生態系の変化や文化遺産の水没など様々な問題がとりざされてきました。一体、今、ダムとなった地域はどうなっているのでしょうか?現在の長江の姿を紹介しつつ、ダムができる前から人々の暮らしに息づく長江の魅力に迫ります。
旅の出発は、重慶(じゅうけい)。長江上流部の港町として発展し、今や人口は700万を越える大都市となっています。この町で朝から忙しく大きな荷物を持った人々が行き交うのを見かけます。棒棒軍団(バンバンぐんだん)と呼ばれる人々です。棒に荷物をかけて背中に担ぎ運ぶ肉体労働者達の一群です。重慶の港に着いた荷物を、車や列車まで人力で運びます。物流に欠かせない役割を担っているのです。
この棒棒群団たちの体力を支えてきたのが、重慶の庶民のグルメ。忙しい彼らの胃袋を満たすため「早く安くうまい」がモットー。どんなグルメがあるの
重慶から東へ向かい万州(まんしゅう)から舟で長江を下ります。
最初に立ち寄った町は、雲陽(うんよう)。ここは、ダムの建設によって水位がおよそ150mも上がった地域。歴史的な文化財であり庶民のよりどころである張飛廟(ちょうひびょう)「三国志の張飛の首が祀られているとされる所」が水没したといいます。
ところが、建物ごと山の上に移築したのです。一体、今はどうなっているのか訪ねてみます。
三峡ダムの建設によって長江の姿は一変しました。以前より魚が採れなくなったといいます。しかし、一方で例年になく豊作でより味もおいしさを増した農作物があるのです。それは、なんと「みかん」です。なぜ、みかんがおいしくなったのでしょうか?奉節(ほうせつ)の港を訪ねみかん栽培農家にその秘密を探ります。
また、昔から舟仕事をしていた人々に、今と昔の長江の姿を訪ねます。なんでも、ダムが出来る前は、上流に舟を運ぶために人力でロープを使い引っ張っていたというのです。どういうことなんでしょうね。いわゆる舟先案内人がいなければ、長江を行き来することさえもできなかったというのです。かつて舟先案内人として活躍した老人たちの寄り合いを訪ね懐かしき長江の思いを紹介します。
さていよいよ長江クルーズの見所「三峡(さんきょう)」です。その美しさは、古くから美しい峡谷としられる三峡の魅力は、ダム建設によってどのようになったのでしょう? 今だ色あせない三峡の美しさは残されているのでしょうか。
初回放送:2009年2月5日