中国神秘紀行

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作品内容

絶壁を南へ走れ 成昆鉄道の旅 ~四川省~

今回は、中国西部を南北に走る成昆鉄道と途中下車の旅です。成昆鉄道は、四川省の成都から雲南省の昆明まで全長およそ1100キロを走る鉄道で、大山岳地帯を抜けてゆくダイナミックな車窓が魅力となっています。第11回を成昆鉄道の前編、第12回を後編として紹介してゆきます。成昆鉄道は、大自然と大山岳地帯で暮らす少数民族イ族との出会いがエキゾチックで旅の魅力を深めてくれます。  まず、旅の始まりは成都。およそ1000万の都市まで発展した町では、南北の交通手段として鉄道は今も重要な役割をはたしています。2000年に全線電化になりスピードアップはしたものの、成昆鉄道の旅はのんびりとした成都平原車窓を見ながら南へ向かいます。  まず、途中下車したのは峨眉山。仏教の聖地であり1996年世界自然遺産にも登録されている風景明媚な地です。標高3099mの頂上にある金頂には、黄金の寺院が立ち並び、そこからは大山岳地帯の絶景が望めます。遠くに西方には、標高6000mを越える東ヒマラヤ山脈の大パノラマ。南には、これから向かう大凉山の山並みが雲海とともに広がります。 この峨眉山の近くあるのが、高さ71mの世界最大の石仏がある楽山。この石仏は楽山大仏といわれ世界文化遺産に登録されています。巨大な石仏は、大河の氾濫を納められるために造られました。それだけ、楽山は水の豊かな地。この楽山の名物が、シバ豆腐。水のよさが、おいしい豆腐料理を生み出したのです。おいしさの秘密は、その製法にもある。昔ながらに石臼で大豆を引いて、すべて手作り。 再び成昆鉄道の旅へ、いよいよ絶壁地帯に向かいます。まるで、絶壁をはうように走る列車は、多くのトンネルを抜けてゆきます。トンネルの数は400を越えます。この絶壁地帯の鉄道建設には、多くの人々が動員されすべて人の手で造られました。そのため、何千という命が失われた。とても、危険な地帯だったのです。 この絶壁の山岳地帯に、「イ族」という少数民族が暮らしています。艶やかな民族衣装に身を包み農業と牧畜で暮らします。かれらの歴史は、4000年以上。これから成昆鉄道が向かう山々は大凉山で「イ族」が暮らす地域なのです。深い山々の懐で次回へ旅は続く。

初回放送:2008年8月29日