中国神秘紀行
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美しき水の都 大運河をゆく ~浙江省~
浙江省と江蘇省は、中国の大河・長江下流部に位置する水郷地帯。古くから水運が盛んで、都と都を結ぶ大運河が重要な役割を果たし中国でも指折りの豊かな土地である。中でも運河で結ばれる杭州、蘇州、楊州は、歴代の中国皇帝が、「美しき水の都」と称し溺愛した所だ。
中国には「天上に極楽あり、地上に蘇州、杭州あり」という言葉もある。その皇帝たちを魅了したものとは何かを求めて旅をしてゆく。
美しさは中国に知れ渡る湖、西湖がある杭州から旅は始まる。
「南船北馬」と言われるように、この杭州から河南省の洛陽まで大運河が伸びている。今からおよそ1400年前、隋の煬帝が作らせたものだ。現在では、石炭や鉄などの運ぶ船が往来する。中国の銘茶はと聞かれ龍井茶と言えば、まず間違いがないほど誉れ高いお茶である。中国最高級のお茶として知られ皇帝にも捧げられた。今でも最高級茶として、本物はわずかしか生産されず大変高価で貴重。
この龍井茶のふるさと龍井村を取材。
香り豊かなこのお茶がどうやって誕生するのかその秘法を探る。交易都市杭州、それは昔からのシルクの生産に支えられた。日本でもかつてみられたマユの加工、今でも人手を利用し活気ある様子を紹介する。
蘇州には、美しき太湖がある。この湖のほとりには、刺繍の村がある。村人はみな、伝統的に刺繍を生業とするプロ集団だ。繊細で鮮やかな刺繍の技、刺繍の世界でも有名な職人の技術と作品を紹介してゆく。蘇州にピサの斜塔がある!? 蘇州の町にも運河が行き渡り、町中には隋、唐の時代からの古い町並みも残っている。町のシンボルである塔は、961年の建てられた雲岩寺塔。高さは約50m。その積み上げた石の重さは約6000トン。まるでピサの斜塔を思わせるように傾いている。 この蘇州といえば世界文化遺産の蘇州庭園だ。古くから水墨画にも描かれた幽玄な風景。世界中から観光客の絶えないまさに水の都の美しさを紹介してゆく。
楊州にも西湖という湖がある。乾隆帝が、特にこよなく愛したこの庭園の美しい夕日は時代を越えて人々を惹き付ける。
「楊州三本刀」 0楊州には古くから3本の刃物を使った技術は中国一と言われている。ひとつが楊州料理の、包丁さばき。その次が床屋のカミソリの技。そして、足の爪切りの技。一体、どうゆう技なのか?
今回、水に育まれた美しさと運河と共に暮らす人々を紹介しながら大運河の魅力を見つめてゆく。
初回放送:2008年8月1日