中国神秘紀行
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雲南 常春の大地をゆく ~雲南省~
中国南部に位置する雲南省。その省都である昆明から南へ下る旅。
昆明(くんみん)/石林(せきりん)/弥勒(みろく)/元陽(げんよう) と大きく四つの地域を巡る。
今回は、人々を育んできた大地の恵み、雲南の大地の神秘を訪ねる。
旅のルートは常春の地で、とにかく年中気持ちいい風が吹き実に過ごしやすい地域だ。「昆明は花の都」「石林は大自然のモニュメント」「弥勒は幻のワインの里」「元陽は、美しき棚田の里」。
まずは、旅のはじまりは昆明。町のほとりに広がる湖は、南北に39kmの広さを持つ?池。市民の憩いの場だ。シベリアからのカモメが飛来し、羽を休める。常春の大地らしくそよ風も心地いい。昆明は「春城」と呼ばれる由縁だ。昆明の花市場には、深夜2時から何千という人々で賑わう。扱われる花は300種あまり、「春城」と呼ばれるだけあってバラやカーネーションなど色とりどりの美しい花々が並ぶ。実は、ここから意外なグルメが誕生した。食材は、新鮮な花を扱い観光客で大人気。菊のフライ、バラの生巻きなど多彩なグルメの味はいかに? この雲南の大地は、昆明の郊外に出ると紅い色をしていることに気づく。この大地の歴史は、およそ2億7000万年前に遡る、奇怪な大地を生み出した。それが、石林だ。まさに、その造形は石の林。大自然が生み出したモニュメント。石の造形を楽しみながら回遊すると、やがてこの大地がかつて海の底であったことがわかる。海の生物たちの死骸が気の遠くなるような年月を経て体積してカルストの大地を生み出した。
この、大地がまた、人々にすばらしい恵みを与えた。それを求めてさらに南下。
弥勒という町を訪ねる。驚いた事に、そこにはフランスのボルドーかと見間違う風景が広がる。弥勒は、中国でも知られざるワイン秘境の地である。
一体なぜ、弥勒にぶどう畑が広がっているのか。その謎を求めてワイン農家を訪ねる。なんと、20世紀初頭にフランス人の宣教師が、このカルストの大地が、あまりにも故郷フランスに似ていることから、試しにぶどうを栽培したところ見事に実ったのだ。もっと、驚くべきことは、この弥勒のワインは、「幻のワイン」と呼ばれていることだ。フランスでは、既に自然災害により絶滅した品種がここでは栽培されているというのだ。さて、その幻のワインの味は?
最後に訪ねるのは雲南の大地を覆うかのようにそびえる山々の神秘だ。
さらに南下し元陽という土地を訪ねる。そこには、見渡すかがりに広がる美しい棚田が広がる。棚田にはった水は、天空を移す鏡となり山々の情景とともに光と雲のパノラマが広がるのだ。一体、この棚田はどうしてできたのだろう。
現地に暮らす少数民族ハニ族の一家の暮らしを見つめ大地の恵み神秘に迫る。
そこには、永々と続いてきた人々と自然との調和が保たれた暮らしがあった。
初回放送:2008年5月16日