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ストーリー

5/29(金)の放送
ポルシェ904とカレラ2

PORSCHE Carrera2

ポルシェ・カレラ2。正式名を356・2000GSというこのクルマは、1961年秋にデビューした。356のオリジナルを49年のジュネーブショー展示車とするなら、これはいわば究極の356ということになる。63年の第一回日本グランプリで大活躍したクルマは赤だったが、この黄色の1台はそれよりも新しい64年型である。カレラ2という名前は、55年の1500GSおよび、59年からの1600GSをのちに1型すなわちカレラ1と見なして付けられたものである。エンジンはポルシェとして初の2リッターであった。

PORSCHE 356(1951)

ポルシェのレース活動は1100cc時代の356のころ、すなわち51年には早くもルマンへの挑戦が始まっているのだが、それは戦後のドイツ車として初の実に画期的なことであった。以来、ポルシェは70年に初めて王者の座につくまでの実に19年間にわたってルマンでのクラス優勝を重ねることになった。小さなエンジンで戦うポルシェにとって、それは52年から挑戦を始めたミレミリアでも同じだったが、険しい山道を走るタルガフローリオでは状況が違った。

PORSCHE 904(1964)

さて、いよいよ904の登場である。45年前の第2回日本グランプリで主役になったそのもののシャシーナンバー70が今、ここにあるわけだが、これこそポルシェのレースの歴史の上での異端と言うべきものだろう。63年11月に発表されたこの904こと、カレラGTSは、今の視点で見るといささか興味深い。ミドエンジンであることは当然としても、パイプのスペースフレームをやめて鋼技溶接のシャシーとポルシェでは最初で最後となるFRP製ボディを採用したことが不思議に思えるのだ。