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ストーリー

5/9(金)の放送
メモワール スバル360誕生の秘話

SUBARU 360

先ごろ、富士重工は、ついに軽自動車の生産から手を引くことを発表したが、ちょうど50年前の1958年に自ら生み出した名作・スバル360のことを思うと、まことに残念でならない。昭和の半ばごろに誕生したスバルというクルマは戦前の中島飛行機を原点に持ち、航空機に通じる機能性・合理性を追求、これまでの既成概念を打ち破った。そのことから排気量わずか360ccのかわいらしいクルマが誕生したのだった。

佐々木達三さん

このユニークなカタチを生み出したのは、クルマのデザインはこれが最初で最後の佐々木達三さんなのであった。以来12年間にわたり、大きなモデルチェンジをすることもなく作り続けられたスバル360は第2回日本グランプリ(1964年)の400cc以下のクラスで優勝し、連続高速走行性能を実証した。また、富士重工の「六連星マーク」は社内募集案に、佐々木達三さんが手を加えたものを採用したのが起源である。

SUBARU 360 原寸粘土モデル

国産初のモノコックボディを採用し、鋲一本一本の頭を平らにすることで軽量化を図った。ボディースタイルは「時代を超えた長い期間、モデルチェンジを必要としないスタイルをとるべきである」との考え方をもとに、佐々木達三さんを中心に検討し、倉庫の片隅で、まず1/5のモデルをつくり、さらに原寸モデルを作成した。こうして「大人4人が乗れる初めての軽自動車」が誕生。日本人にとって自動車を身近にしたのである。