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ストーリー

7/3(火)の放送
エルバ島の思い出

イタリアの小さなエルバ島

ここは、イタリアでも日本人観光客がほとんど知らないエルバ島。トスカーナ地方の西に浮かぶ小さな島である。1989年9月、この島を巡るクラシックカーラリーに、番組スタッフは参加することになった。イタリアの自動車雑誌の仲間が、エントリーからクルマの手配まで、すべて段取りをつけてくれたのだ。ドライバーはただ、国際ライセンスを用意すればよかったのである。

エルバ・グラフィティ

我々が参加したレースは、今でこそミレニアムなど日本でも行われているが、この当時は日本人にはなじみのないレースだった。カンポ港にランチアやフェラーリ、ロータスの年代物のクルマが次々とカーフェリーから降りてくる。それは壮観である。小さな島を7つのステージで巡るのだが、10キロ近い距離を走ることもれば、わずか400メートルのステージでクランク走行を試されるものもある。スピードを競うとか、耐久レースとは違い、決められた時間どおりに関所を通過するものもある。

イタリアの島特有の狭い坂道

小さな丘のような島なので、家と家が壁のように連なった細い回廊をクルマが走る。石畳の坂を下りてくると切り返しをしないと曲がりきれないといった具合だ。67年型ランチア・フルヴィアHF1.3で参加した我々の成績は、そりゃあもうミジメなものだったが、小さなエルバ島の景色は底抜けに美しく、特に魚介類のウマさはサイコーなのであった。