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ストーリー

9/6(火)の放送
日本最古の高速試験場 谷田部物語―前編

谷田部テストコース

ヤ・タ・ベ。それは、カーグラフィックがこれまで30数年間に亘って親しんできた、性能テストの為のホームグラウンドの通称である。日本屈指の高速テストコースを誇るこの施設、JARI、即ち日本自動車研究所が遂に茨城県つくば市から栃木県寄りの城里町に移転する事になった。これは、そんなヤタベの存在を語り継ぐ為の、ちょっとした物語である。自動車に関する事柄を研究する為の研究機関で、通常は一般の人が訪れる機会は用意されていないから、カーグラフィックの熱心な読者を除いては、その存在すら知られていないかもしれない。

メルセデスベンツ300SL

いまの日本では想像出来ない様な話だったが、カーグラフィックはそんな時代の1962年、昭和37年に創刊した。自動車高速試験場の施設としてのオーバルコースが完成する2年前の事であった。しかしその2年間はと言うと、まだ東京の道路にも渋滞などというものはなく、クルマの性能もタカが知れたもの。そんな時代にカーグラフィックの表紙を飾ったのが、当時世界でも一番と言うべき300SLだった。正に衝撃的な出来事なのであった。

電気式温度計 [第5輪]

1968年9月号のフルテスト第一号から80年の初めまで、凡そ12年に亘ってカーグラフィックのテスト/インプレッションを支えてきたのが、この通称「5輪」。英語でもフィススホイールと呼ばれた如く、クルマの4輪に加えられた5番目の車輪という訳である。スーパー株のホイールを流用して、そのハブに電気式発振器を組み込んだもので、計測機器のトップメーカーである小野測器に設計製作を依頼。これによって実速200キロまでの正確な速度を把握できる為、初めて、加速性能を正しく計測出来るようになったのである。