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ストーリー

12/21(火)・12/26(日)の放送
50年前の超小型車大集会(前編)

クラインバーゲン・ミーティング

ほとんど忘れ去られてしまったが、戦後の一時期、特にドイツでは情けないほど小さな車が目立った。そんな虫けらのような車たちをこころからいつくしむ人々は今もいる。これはそんな超小型車の集会の話。スマートが誕生する3年前。1994年の記録である。風香る5月、うわさのクラインバーゲン・ミーティングを取材すべくドイツへと飛んだ我々スタッフはアノーバー近郊、シュテーリーへと向かった。このイベント、5月12日から15日にかけての4日間、ドイツ国内はもとよりのことオーストラリア、スイス、オランダ、ベルギー、フランス、イギリス、そしてデンマークと各国からやってきた虫たちは、優に300台以上におよんだ。

クラインバーゲン博物館

シュテーリーの一角、ボッケノンの村にあるクラインバーゲン博物館。この年、20周年を迎えたこのミュージアムは、小さな車をこよなく愛するボット・クーネル氏のプライベートコレクションから始まった。クラインバーゲン・ミーティングの主催者でもあるクーネル氏は最近のミュージアムをこれまでの1600平方メートルから2200平方メートルへと拡大。旧東ドイツのコレクションも新たに加わっている。現在、展示されているクラインバーゲンは戦後につくられたマイクロカー120台と100台あまりのバイク。BMW本社から贈られたというリセッタはすべてのモデルがそろっているし、メッサーシミット、ゴッドモビル、ドイトといった大量生産車からツンダット、クラインシュニットガー、フルダモビルといった名も知られていないものまで小さな虫のほとんどが保存されていることがすごい。

クラインシュニットガーF125(D)1951

そしてドイツいち小さな四輪車。クラインシュニットガーF125。なんとアルミボディーを持ち車重はたったの150キロ。1957年に倒産するまで 2950台が生産され51年当時の価格は240マルクだったというエンジンはバイクを主に生産しているイーロ製の2ストローク・シングル(短気筒)125ccで6馬力を発生。最高速は60キロということだ。