世界の名画 ~美の迷宮への旅~
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光の画家が見た闇 レンブラント「夜警」
今日の一枚は「光の魔術師」と称された17世紀のオランダ絵画界の巨匠、レンブラント・ファン・レインの「夜警」。
レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」ベラスケスの「ラス・メニーナス」と共に、世界三大名画の一つと言われる名作です。
当時、アムステルダムの街を守っていた自警団、火縄銃手組合が描かれています。
複数の人々を一枚に描く、この種の集団肖像画は17世紀のオランダで流行したオランダ特有の伝統絵画でした。
全員が平等に描かれるはずの集団肖像画ですがレンブラントは画面中央の2人を光で照らし、それ以外の人物は荒いタッチで描きました。これが依頼主の怒りを買い、その後、仕事は激減、破産状態に。さらには家族を立て続けに失うなど、彼は深い闇へと落ちていったのです。
レンブラントの人生をも狂わせた、独自の光の表現。しかしそれこそが「光の魔術師」たる所以。彼は光と影を操り、ありきたりな情景を劇的な世界に変貌させました。
その原点はバロック絵画の先駆者カラヴァッジオにありました。彼から受け継いだ、光の魅力にも迫ります。
また、レンブラント作品に付きまとうのが、多くの贋作疑惑。彼の作品を徹底的に調査する為に結成された「レンブラント・リサーチ・プロジェクト」に取材を敢行しました。
今回は近年、明らかになった2枚の絵にまつわる真贋の行方をご紹介します。
そして地上の旅は17世紀、欧州一の海上貿易を支えたオランダの港町アムステルダムを訪れます。当時、豊かな市民たちの間で流行したのがチューリップ投機でした。歴史上初の経済バブルと言われる「チューリップバブル」で信じられない高値を付けた幻のチューリップを求め、アムステルダムを巡ります。