世界の名画 ~美の迷宮への旅~

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ストーリー

知られざるゴッホの名作を訪ねて 「アルルの療養院の庭」

番組名

19世紀末、独自の絵画世界を切り開き、後世の画家に大きな影響を与えたフィンセント・ファン・ゴッホ。彼の代表作のうち、「アルルのはね橋」「夜のカフェテラス」など明るい色彩を特徴とする風景は、南仏アルルで生み出されました。今回ご紹介する「アルルの療養院の庭」は、そのアルル時代の終わりに描かれた作品です。前年のクリスマスに左耳たぶを切り落とす自傷事件を引き起こし、その後、町での生活が困難になっていったゴッホ。アルルで迎えた二度目の春を描いたこの作品は、一見、一年前と変わらぬ明るい色に彩られています。しかしその色の使い方には、全く異なる意味が込められていました。アルル時代のゴッホの色彩の変化を追いながら、絵に込められたゴッホの思いを読み解きます。
ゴッホを理解する上で重要な「アルルの療養院の庭」ですが、あまり目にする機会がなく、知る人ぞ知る隠れた名作となっています。何故でしょうか? その謎を解くために、この作品があるスイスのヴィンタートゥールを訪ねると、そこにはゴッホの他、ブリューゲル、ゴヤ、コロー、ルノワールなど、美術史に名を連ねる巨匠たちの知られざる傑作を揃えた、隠れ家のような美術館がありました。オスカー・ラインハルト・コレクション・アム・レーマーホルツ。二十世紀最高のコレクターと言われるオスカー・ラインハルトが、生涯を掛けて集めたコレクションを、屋敷ごと寄贈したことで創られ、所蔵作品を一切「売らない・貸さない・足さない」という、普通では考えられない運営方針を持った美術館です。
この美術館があるヴィンタートゥールには個性的な美術館・博物館が他にも沢山ありました。珍しい時計を集めた博物館、携帯用の小さな肖像画を集めた美術館、19世紀の個性的なおもちゃを集めた博物館...。小さな一地方都市に何故、優れたミュージアムが集まっているのでしょうか?番組ではその謎を解き明かして行きます。