世界の名画 ~素晴らしき美術紀行~

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ストーリー

聖母が見守る古都 世界遺産シエナの旅

世界の名画 ~素晴らしき美術紀行~

花の都イタリア・フィレンツェ。その南に位置するゴシック芸術とワインの街シエナ。
ルネサンス以前、イタリア絵画はこの2つの街が中心でした。13世紀から活躍したフィレンツェ派の雄ジオットはルネサンス絵画の開花を促し西洋絵画の父とも呼ばれた画家。代表作「東方三博士の礼拝」では三次元的な物語空間を生み出しました。
一方、シエナの町で活躍したのは、ジオットの絵画を発展させ、優美で神秘的に表現したシエナ派の画家マルティーニ。代表作「受胎告知」の華麗な色彩、装飾性、写実的な表現にはフランス・ゴシックの影響も強く感じられます。イタリアの近しい場所で同時期に生まれた二大画家の神髄、ルネサンスの道を切り拓いた秘密に迫ります。
ジオットにまつわる記録は少ないものの、彼には数々の伝説が。岩に描いた絵で偶然に見出された才能、作家ヴァザーリも絶賛した絵画の秘密など知られざるジオットの素顔を紹介します。
その後に現れたシエナ派のマルティーニは有力なブルジョワから愛され、ナポリ王からは「騎士」として厚遇されました。そんなマルティーニを育んだ世界遺産の街シエナを探訪します。世界一美しいと称されるカンポ広場や中世の城壁で囲まれた街サンジミニャーノシエナ名物のお菓子パンフォルテやシエナワインなども堪能します。
13世紀後半のシエナは金融と芸術の街として栄え、市民の富も増大。教養を身につけた新しい市民は教会が望む崇高な絶対美とは違う絵画を求め始めます。シエナの街と歴史を紐解いた時、そこにルネサンスの到来を告げた秘密が見えてきました。
西洋史上初めて繊細な感情と立体的な肉体を描いたジオット。それを進化させたマルティーニのアバンギャルドな精神。芸術の暗黒時代に生きた2人がルネサンスの扉を開いた真実に迫ります。