世界の名画 ~素晴らしき美術紀行~

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ストーリー

スペイン・マドリード 至宝の旅
華麗なる宮廷と黄金時代の画家

世界の名画 ~素晴らしき美術紀行~

17世紀に黄金時代を迎えたスペイン。時の国王フェリペ4世は、一人の画家をマドリードの宮廷に迎え入れました。画家の名は、ベラスケス。比類なき絵の上手さから、後に「画家の中の画家」と称えられる人物です。
比較的年齢が近い王と画家。二人は主従の関係を超えて、深い友情で結ばれました。そして、二人が暮らした宮廷から幾多の名画が生み出されていくのです。
往時の繁栄が偲ばれるマドリードの歴史地区。その一画はオーストリア地区と名付けられています。当時、スペインはオーストリア出身のハプスブルク家が支配していたことに由来します。華麗なる時代に想いを馳せ、街を散策。スペインの至宝が収蔵されたプラド美術館に向かいます。
ベラスケスの代表作「ラス・メニーナス」。
世界三大名画の一枚に数えられるこの作品はレオナルド・ダ・ヴィンチが考案した空気遠近法を完成させた絵だとも言われています。舞台は王宮の一室。王女マルガリータにかしずく女官たちの姿が描かれています。
この絵は近くで見ると荒々しい筆跡が目立ちますが、少し離れたところから眺めると、驚くほど写実的に描写されていることが分かります。後の印象派にも通じる卓越した技法がベラスケスが高く評価された所以です。
しかし、この絵が人々を魅了する理由はそれだけではありません。観る者の想像を掻き立てる様々な謎が仕掛けられているのです。絵の中の画家は巨大なカンヴァスに一体、何を描いているのか?鏡に映る男女とは?そして、王女マルガリータに女官が差し出す陶器の意味とは?そこには、画家と国王それぞれが持つ、ある想いが込められていたのです。